言葉が人の心を打つスターになった。6月7日、ロッテ佐々木朗はZOZOマリンの打席に立った。ロッテ-中日の始球式を地元大船渡の猪川野球クラブの後輩、千葉恭佑君(12)が務めた。

その千葉君は190センチ以上ある偉大な先輩を「こんなにデカいんだな~」と見上げた。先輩みたいな野球選手になりたいけれど、まだ160センチあるかないか。始めたことがある。

「ストレッチとか、朗希君がやっていることをやりたいと思います」

12歳の言葉にゾクッとさせられた。佐々木朗は中学時代のケガを機に、ストレッチを大事にし始め、現在の礎を作った。入団1年目のこどもの日には、ストレッチ動画を球団YouTubeで公開。「プロ野球選手は社会的にすごく影響力があると思います」。理解した上で、次世代に伝わるよう発信してきた。

千葉君もこの春、右肘痛で投球を控えた。どこかで先輩の記事を目にし、リハビリ中もストレッチを続け、柔軟性を強化。同じ道をたどる。完治後も主に開脚に励んだり「タブレットでムキムキの人の動画を見たり…」。球宴中継をしかと見届ければ、この夜もストレッチタイム。佐々木朗は少年時代、楽天田中将に憧れた。スターがまぶしいのはいつの世も同じだ。【金子真仁】