「筑後ホークス」打線が大爆発し、新型コロナウイルスによる大量離脱の危機を救った。前日22日に主将の柳田ら5人が陽性判定。藤本博史監督(58)が「筑後ホークスで頑張らなしょうがない」と嘆く状況だったが、若鷹の活躍で今季初の先発全員安打、今季最多タイ20安打。5月28日広島戦以来の2桁得点となる15得点の猛攻で快勝。チームは6月以来の4連勝とし、窮地で底力を発揮した。

    ◇    ◇    ◇

伏兵たちの活躍に、藤本監督も「ヤングホークス、ちびっ子軍団が頑張ったね」と驚いた様子で振り返った。満身創痍(そうい)の打線が初回から猛攻を見せた。立ち上がりからの3連打で無死満塁。1死後、プロ4年目で初の5番に入った野村大がしぶとく一、二塁間を破る先制の2点適時打。「絶対にランナーをかえそうという気持ちだけでした」と、拳を握った。

さらに、21日に昇格してきたばかりで、プロ5年目で3試合目の先発となった6番増田が中前打でつなぐ。2死満塁では、捕手登録ながら8番中堅に入った谷川原が一塁線を破る2点適時二塁打。「師匠柳田さんのバットで臨んだ打席で、力を借りることができた」と、自主トレで師事する柳田に感謝した。初回は打者一巡の攻撃で4点を先行した。

2回以降も打線の勢いは止まらなかった。増田は3回に自身初のマルチ安打となる右前打。5回無死でも二塁打を放ち、初猛打賞とした。谷川原も3回、8回に適時三塁打を放つなど計4長打で4打点。自身初の猛打賞をさらに上回る大暴れだった。下位打線で10安打10打点。終わってみれば3カ月ぶりの2桁得点。20安打は今季最多タイで、先発全員安打は今季初という大当たりになった。

チームは先週末から新型コロナウイルスの陽性者が続出。前日には主将の柳田を含む5人が陽性判定を受けた。ちょうど1週間前、16日西武戦の先発メンバーと比較すると顕著で、9人中6人が離脱し療養中だ。藤本監督は試合前に「筑後ホークスで頑張らなしょうがないよね。いるメンバーでやるしかない」と、頭を抱えていたが、思わぬ大勝だ。4連勝は5月27日~6月1日の5連勝以来。今季初の7連戦初戦で、最高の滑り出しを見せた。【山本大地】

○…ソフトバンク石川が自己ワースト12安打を浴びながら、今季5勝目をつかんだ。初回に味方が4点を先制したが、その裏に1失点。12点リードの7回に4点を失い、ちょうど100球を投げたところで途中降板した。「野手陣の援護、守備に助けられた。後半は難しさを感じてしまい、テンポよく投球ができなかった点は反省しなければいけない」。7連戦の先陣で白星を挙げたが、気を引き締めていた。

▽ソフトバンク増田(約1カ月ぶりの先発出場で自身初の3安打)「コロナの影響でチャンスが回ってきて、強い気持ちで臨みました。1打席1打席が勝負だと思うので、1日でも長く1軍に残れるようにやっていきたい」

▽ソフトバンク今宮(3安打3打点)「(5回の適時打は)甲斐が満塁でゲッツーとなってしまったので、何とかカバーしようと打席に入りました。展開的にも大きいタイムリーとなったと思います」

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧