“野鳥襲来”にもめげず、楽天が勝利した。

11-6で迎えたオリックス9回表の攻撃中、10羽を超える野鳥の群れが楽天生命パークに飛来。外野方向から次第にダイヤモンドの方へ近づき、最後は内野上空の低い位置をぐるぐると旋回し始めた。そのため、試合進行が数回にわたりストップ。その間、2点を失ったが、最後は守護神・松井裕樹投手(26)が踏ん張った。連敗を3で止め、CS圏の3位オリックスとのゲーム差を再び1・5に縮めた。

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空を見ろ! 鳥だ! 飛行機だ! スーパーマンだ! て、やっぱり鳥だった。楽天5点リードの9回表、7番手の宋家豪がマウンドで投球練習を始めるかたわら、左翼後方の観覧車のあたりから黒い固まりが飛んできた。よーく見ると、野鳥の群れ。オリックスの攻撃が始まったが、天然芝の外野のあたりを気持ちよさげに、ぐーる、ぐると飛んでいた。

ところが、1死一、三塁で西村の打席の時だ。群れは次第に内野方向へ近づき、しまいにはダイヤモンド上空、低い位置を旋回し始めた。三塁走者の吉田正が、思わずのけぞる場面も。投手、打者とも、視界がさえぎられかねない。笠原球審がタイムをかけた。再開後も、たびたびストップが繰り返された。

集中力を保つのが難しい状況ではあった。宋家豪は暴投と四球で塁を埋め、若月の適時打で1点を失った。4点差となり、なお1死満塁。こうなれば、守護神の登場だ。百戦錬磨の松井裕。野鳥の動きが収まるのを待って投球開始。最初の大城にはストレートで押し出し四球を与えるも、そこで崩れない。紅林を遊直。最後は代打安達を二ゴロで切り抜けた。石井GM兼監督は「松井は本当にすごく大変な場面での登板になったんですけど、1つ四球は出しましたけど、1つずつアウトを重ねることに、たけている。何とか踏ん張ってくれた」とたたえた。

楽天生命パークでは8月30日の試合中、蛾(が)が大量発生したばかり。石井GM兼監督は「うちの球場は動物園なんですかね。いろんなのが出てるね。スカンクが出ないことを祈ります」とジョークを交え、話した。過去には濃霧で中断したこともある。屋外球場ならではの自然に負けず、むしろ味方につけて、野鳥を吉兆としたい。【古川真弥】

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