青学大が、佐々木泰内野手(2年=県岐阜商)の復活弾で粘る国学院大を振り切った。対戦成績を2勝1敗とし、勝ち点を挙げた。

2回、先頭の佐々木は2球目の内角直球をフルスイングした。打球は真っすぐ、レフト芝生席へ吸い込まれた。大学通算7本目となる左越え本塁打で先制。6回に同点に追いつかれたが、続く7回に、佐藤英雄捕手(3年=日大三)のスクイズで勝ち越し。投げては6回途中からリリーフした常広羽也斗投手(3年=大分舞鶴)が2安打無失点に抑える好救援を見せ、逃げ切った。

復活への一打だった。佐々木は昨秋の駒大2戦目(10月14日)以来となる本塁打に「春は、自分のせいで最下位決定戦に行ってしまったと捉えていたので。一つの壁をまずは乗り越えられたかな、と思います」と喜びをかみしめた。

1年時は6本塁打を放ち、スーパールーキーと注目された。2年春は、無意識に感じる重圧に苦しんだ。「結果を残して、少し力みが入りました」。今春は調子を落とし2割3分3厘。「ずっとチームに迷惑をかけていた。このまま自分が(試合に)出続けてもいいんだろうか、と考えたこともありました」。試合が終わり寮に帰ると、1人で室内練習場へ向かい、ひたすらバットを振り続けた。

今夏は原点に回帰した。高校時代の打撃を思い出しながら、新たな打撃も模索した。「まだ正解ではありません。でも今日はすごく楽な気持ちで打席に入れたのが一番大きかった。これから継続してやっていきたいと思います」と手応えをつかんだ。

この1年半、佐々木を見てきた安藤寧則監督(45)は「下級生で背負わせてしまっている、というのも正直ありました。でも、見守ってきた自分としては本当にうれしいです」と、安心した表情を見せた。

春は日大、中大とともに、3校三つどもえの順位決定戦に回った。主砲の復活とともに、第1週で勝ち点1を取り、好発進を決めた。佐々木は「まずは勝ち点が取れたってことが一番大きい。このままリーグ優勝、日本一へつなげていけたらいいと思います」と、力強く話した。【保坂淑子】

【関連記事】大学・社会人野球ニュース一覧>>