広島大瀬良大地投手(31)が、6回途中7失点で8敗目を喫した。2回は村上に先制ソロを浴び、5回は塩見に同点2ラン。さらに6回は長岡に右翼席へ勝ち越し2ランを浴び、3年ぶりの1試合3被弾となった。チームは森下、大瀬良の2本柱で連敗。10日に敗れれば、4年連続のV逸が決まる。

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首位球団は失投を見逃してはくれない。同点の6回2死一塁。大瀬良が長岡に投じたカットボールは捕手会沢がミットを構えた外角ではなく、中に入った。カウント1-2と追い込んでからの投げミスが試合を決めた。

「もっと厳しくいけたらよかったと思いますけど、結果が全て」

勝負どころで精度を欠いた。2回は警戒していた村上に内角を狙ったスライダーが中に入った。今季、村上に初めて浴びた安打が、バックスクリーンへの弾丸ライナーでの先制弾となった。2点リードの5回は1死一塁から塩見に2ストライクと追い込みながら、外角要求のスライダーが肩口から曲がる絶好球に。左中間席への2ランで、最大3点あったリードを吐き出した。

1軍復帰後も、らしくない登板が続く。2日DeNA戦は中盤以降は球速140キロ台前半にとどまる中、気迫と投球術で無失点にしのいだ。だが、この日は狭い神宮球場で燕打線をかわし切れなかった。3年ぶりとなる1試合3被弾で、今季ワーストタイの7失点を喫した。「僕が引っ張っていかないといけない立場なんですが、迷惑を掛けてしまっている。またいい調整をして、チームが勝つように。それだけを考えてしっかり調整したい」。チームを勝利に導くことができず、肩を落とした。

森下、大瀬良での連敗はあまりにも痛い。10日も敗れれば4年連続のV逸が決まる。阪神が敗れたことでCS圏内の3位とのゲーム差は1・5のまま。逆転CSのためには勝っていくしかない。この日は秋山が発熱とコンディション不良でベンチ外。同じくコンディション不良の菊池涼とマクブルームも先発から外れた。最後の力を振り絞り、総力戦が求められる。残り12試合も、追う立場にある広島にとっては明日なき戦いとなる。【前原淳】

▽広島佐々岡監督(6回途中7失点の先発大瀬良に)「打たれた球は投げミスだと思うし、真ん中に入って打たれてる。結果を見ると早めに代えなければいけなかった。私がミスをした」

○…「8番二塁」で8戦ぶりスタメンの上本は攻守で存在感を見せた。4回2死一、二塁では左前に6月28日以来の適時打を放った。守備では4回無死一塁で一塁側フェンス際の飛球をジャンプで好捕。4回1死二塁でも二遊間のライナーに飛びつき、好プレー。「以前甲子園で(失策を)やっちゃってる。必死さを出して絶対捕ろうと思って」。32歳の中堅はプレーで気迫を示した。

○…8月30日阪神戦以来の4番に入った松山は一時勝ち越しとなる犠飛と中前打で仕事は果たした。同点の4回無死一、三塁で左犠飛。4-4の6回先頭では中前打を放った。「こうやってチャンスもらって、どの打順でも出られるだけうれしい。(秋山と菊池涼が欠場だが)みんなでカバーしようとやっていた。みんな気持ちも出ていた」。今季37歳のベテランは貪欲に出場機会を欲している。