日本ハムなどで活躍した中島輝士監督(60)率いる京都先端科学大が、18年春以来8季ぶり17回目のリーグ制覇を果たした。優勝に王手をかけて臨んだ試合で、前半は息詰まる投手戦が続いた。6回に1死満塁から中川聖也外野手(3年=天理)が先制犠飛を放ち、7回2死満塁では秋から4番に定着した中村志遠(しおん)外野手(3年=乙訓)が右翼線に落とす適時三塁打。決定的な3点を追加し、先発の庄田和規投手(3年=日南学園)が三塁を踏ませない好投で5安打完封した。今夏の全日本大学選手権で4強入りした佛教大の、リーグ戦8連覇を阻止した。

20年1月1日に就任した中島監督にとって、初の優勝。「なかなか佛教大のカベが厚くて。接戦はしているんですが、高いカベを崩せなかった。今回こういう形になって、選手たちに感謝します。みんなが1つになって戦ってくれた結果ですから」と、教え子たちの手で胴上げされた。

就任後すぐに世界的な新型コロナウイルスの流行が始まり「どの大学も、球界全体もコロナの影響を受けました。なかなか思うようにいかなかったんだけど、この結果はうれしく思います」と、見えない敵との闘いも経験してきた。

今秋は打線に中村という軸ができ、また1年の井口遙希内野手(近江)が1番に定着したことも優勝の原動力になった。日本ハム、近鉄で現役生活を送り、台湾プロ野球、独立リーグ監督を経験してきた中島監督は「高校生、大学生は1年1年変わってくる。よかったときもあるし、悪いときもある。日本のプロではぼくはクライマックスシリーズしか味わってないけど、独立リーグや台湾のプロ野球で優勝を経験したんで、やっぱり優勝は格別ですよ。この子たちが佛教のカベを破ったのが本当にうれしいですね」と目を細めた。

京都先端科学大は明治神宮大会出場をかけ、29日開幕の関西地区大学選手権(南港中央)に出場する。