東洋大は3番手で登板した野沢秀伍投手(3年=龍谷大平安)がこの日最大のピンチを脱するなど、2回2/3を無失点。リーグ戦初勝利を記録した。野沢はウイニングボールを手に「素直にうれしいです」と笑顔で話した。

4-4と同点の7回1死二、三塁で登板すると、先頭を空振り三振。続く打者に四球を与え2死満塁のピンチを招いたが、拓大の5番山下竜哉内野手(4年=秀岳館)を右直に打ち取った。「同点で終盤。これ以上は点をやれないなと。思いっきり立ち向かうことが出来ました」。この快投に打線も爆発。その裏、石上泰輝内野手(3年=徳島商)の勝ち越し2点適時二塁打など、一挙5得点で勝利をつかんだ。

野沢は龍谷大平安時代、19年春にエースとしてセンバツ出場。1回戦で現オリックス前佑囲斗投手擁する津田学園との投げ合いを制するなど、同校を8強に導いた。東洋大・杉本泰彦監督(63)は「高校の時、エースとして勝ちを背負いながら投げて、甲子園に連れて行っていた。そこのメンタリティーは教育出来ない部分」と精神的な強さを評価。野沢も「高校の時から粘り強くやっていました。今日のピンチも、同じように出来たと思います」とうなずいた。

東洋大は2つ目の勝ち点を獲得し、単独2位に浮上。逆転優勝へ、負けられない戦いは続く。

▽東洋大・石上内野手(勝ち越し2点適時二塁打など3安打。第1戦を含めると8打数7安打と絶好調)「調子が悪い時は体が引っ張り気味になる。逆方向への意識を持って打席に入ることを前の試合から意識しています。今日も継続できました」