オリックス宮城大弥投手(21)が痛恨の1発を浴びた。5回、ヤクルト山田に先制の3ランを許した。思い切って2球続けた内角への147キロ直球を高々ともっていかれた。
「20歳のベテラン」とも評される宮城らしい、技術の詰まった投球を見せていた。今年8月に21歳になったばかりの左腕。2回の先頭、村上の内角を鋭く突いた。バットを根元からへし折り、投ゴロ。4回の対戦でも6球中、4球が100キロ前後のスローカーブ。完全に腰砕けにさせて一ゴロに打ち取った。「村上さんが出れば雰囲気がガッと変わる」。最大級の警戒を払った。
スローカーブを多投した。大胆に緩急をつけて、好調ヤクルトの勢いを封じ込めた。「あまり深く考えずに精いっぱいやるだけ」の言葉とは裏腹に、バッテリーの周到な準備が光った。
シーズン終盤は右足を1度上げ下げする「2段モーション」に変えて復調したが、ポストシーズンでは再び通常モーションに戻している。この日は走者なしでもクイックを入れたりと、フォームにも緩急をつけた。高卒3年目にして多彩な引き出しで、大一番のマウンドを務めた。
昨年の日本シリーズ第2戦と同じく、同じ若手左腕の高橋との投げ合いになった。昨年は8回途中1失点の快投を演じながら、高橋に完封を許した。0-0の8回、四球からピンチを招いて青木に打たれた。日本シリーズ前には「リベンジしたい」と語っていた。
神宮では1敗1分け。2戦目は3-0の9回に追いつかれるショッキングな展開。本拠地で逆襲開始といきたい第3戦で、出ばなをくじかれた。
6回1死から村上に二塁打を許した後、マウンドを降りた。【柏原誠】