巨人から戦力外となった井納翔一投手(36)が、持ち味を発揮した。

先頭の安部に、初球は143キロ直球のボール。2球目の134キロのスライダーを中前に運ばれた。

2人目の真砂は134キロスライダーで遊ゴロに打ち取った。

投球には「(安部友裕には)初球があれだけ外れて、次の球は狙いやすくなったと思う。その後の2人の打者は、持ち味のゴロを打たせられて良かった」と自己評価した。

3人目の黒瀬は、この日最速の147キロの直球で遊ゴロ併殺打に仕留めた。

トライアウトに挑戦した理由は「今季は、僕の中ではものすごくいい状態で投げられていた。最後投げさせてもらえる球団があればやりたい。36歳ですけど、それを感じさせないものが出せればと思ってチャレンジさせてもらいました」と語った。

全7球は直球とスライダーだけで、得意のフォークは投げる機会がなかった。「使いたかったですが、普段やっている(捕手の)桂君に任せた。早打ちのところもあった。フォークボールは、ベイスターズの時ぐらい、しっかりゴロも打たせられて三振も取れるようになっている」と話した。状態については「痛いところが不思議なぐらい、ない」と元気いっぱいだった。

現役続行への思いは「年齢的に26歳から(プロに)入らせてもらって、10年間、ベイスターズで8年、巨人で2年間できたことは両球団に感謝している。ここから、今季は1年間ずっといい状態でけがもなくできたので、これでやめていいのかなと。打たれていて成績が悪かったら引退を考えたかもしれないが、チームがコロナでピンチの時にチャンスをもらった。ヤクルト戦でいい投球が2試合できたので、これで手を引いたらいけないのではと(思った)。今後の人生においても。親からも『できなくなるまではやれ』という教えもあった」と話した。

当初はトライアウトを受ける予定はなかった。「36歳で、実績はあるけど、投げられるのと、思われては自分が後悔するなと。それなら、しっかりとここで投げて、うちの球団ではというところが出てくれば、キャリアを積み重ねられる」と翻意したことを明かした。

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