楽天涌井秀章投手(36)と中日阿部寿樹内野手(32)との1対1の交換トレードが成立したことが15日、両球団から発表された。

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オフ期間のトレードが再び活発になっている。昨オフは0件だったが、早くも5件目が成立した。うち3件が日本ハムだ。

担当していた11年の楽天が思い出される。オフに成立した8件のトレードのうち、5件が楽天絡みだった。今年の日本ハムと共通点が多い。星野、新庄といずれも新監督の下、成績が振るわなかった(11年楽天は5位、22年日本ハムは6位)。また、両チームともシーズン中のトレードは0件。2年目を迎えるにあたり、オフは一転、積極的に仕掛けた。

星野監督は「好き嫌いで使わない」と、実績や好みにかかわらず選手を使った。今年の新庄監督は、さらに徹底。就任直後の宣言通り、故障で長期離脱した新外国人投手ガントをのぞく支配下全員を1軍戦で起用。計68人はプロ野球史上最多を数えた。まずは1シーズン、自らの目で戦力を見極めた上でオフに動く。明確な意図が感じられる。

選手の移籍が一般的なメジャーを現役時代に経験したことも背景にあるとみる。その点で言えば、楽天石井GM兼監督もそうだ。18年9月のGM就任後、この日で実に14件目のトレードを成立させた。今年から、12月には出場機会に恵まれない選手の移籍を活性させる「現役ドラフト」も行われる。日本球界で、例年になく選手の流動性が高まっている。【古川真弥】