阪神原口文仁内野手(30)が、来季の開幕スタメン奪取に燃えた。29日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、600万円アップの3100万円でサイン。直後の会見で開幕スタメンへの思いを問われると、口調は一層強くなった。

「もちろんそこを目指してやっていきます。もう(勝負は)始まっていると思う」

プロ13年目の今年は後半戦、「5番一塁」に定着。逆転CSに貢献した。「今年の成績は全く関係ない。また一から、結果を残してスタメンで出ていけるように」。貪欲さは不変。捕手登録から内野手登録となったシーズン。不退転の覚悟で臨んだ1年が大きな糧になるはずだ。

原点回帰で再出発する。来年1月には、18年1月以来となる三重・伊賀市の施設で単独自主トレに臨む。育成から支配下を勝ち取った16年は同地から始動。プロ初の開幕スタメンをつかんだ17年も同様だ。 「1人で黙々とできる。野球に集中して、キャンプに向けていい練習ができると考えて、もう1回行ってみようと」

今年手応えをつかんだ「ノーステップ打法」にさらに磨きをかけ、すでに着手している外野守備練習に没頭するには、これ以上ない環境。「もちろんファーストを守って、外野も練習して、来たるべきチャンスに向けて準備したい」。6年ぶりの開幕スタメンを勝ち取るため、体をいじめ抜く。

岡田監督は来季、一塁に大山を固定する構想。外野では両翼を新助っ人、前川や井上らの若手、高山ら中堅勢と争うことになる。「監督の『ここでいけ』ということに、応えられるようにいい準備をしたい」。不屈の男が目をギラつかせ、激戦区に割って入る。【中野椋】

○…阪神陽川尚将内野手(31)は150万円増の年俸2200万円で更改した。

主に代打として、45試合に出場し、打率2割9分4厘。中でも左投手に対しては打率3割5分7厘と好成績を残した。「来年が10年目。チャンスもそう回ってこないと思う。1日1日、結果を求めたい。持ち味は長打率。試合に出たら常に長打を打つくらいの気持ちでいきたい」。左腕キラーの陽川は来季、さらなる存在感を放つ。

(金額は推定)

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