出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させる「現役ドラフト」が9日、オンラインの非公開で初めて行われた。各球団が指名対象を2人以上出し、必ず1人は出て1人は入る仕組み。日本野球機構(NPB)の保科求己法規室長が議長を務め、午後1時から約45分で終了。同5時に指名結果が発表された。

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巨人は楽天からオコエ瑠偉外野手(25)を獲得した。原監督は「新たな制度のもと、チームの補強ポイントを埋めることができる有力な選手を獲得することができました」とコメント。伸び悩む15年ドラフト1位の外野手を新天地で迎え入れた。

右打ちの外野手は激戦区となった。今季は来日1年目のウォーカーが124試合に出場。来季から新人として加入するドラフト1位浅野、同2位の萩尾、新外国人候補としてブリンソンも獲得調査している。勝負強い打撃で頭角を現しつつある増田陸も外野手にコンバートされ、石川らも出場機会を伺う。

むろん、FA加入とは異なり定位置が用意されているわけではない。激しく、厳しい競争を勝ち抜かなければ居場所の確立には至らない。3年ぶりのV奪回へ、勝利至上主義を再確認したチームの一員にオコエが加わった。【為田聡史】

◆オコエ瑠偉(おこえ・るい)1997年(平9)7月21日生まれ、東京・東村山市出身。ナイジェリア人の父が、サッカー選手になってほしいとの願いからラモス瑠偉(サッカー元日本代表)の「瑠偉」と名付けた。関東第一では15年夏の甲子園4強。15年ドラフト1位で楽天入団。185センチ、90キロ。右投げ右打ち。外野手。来季推定年俸850万円。

◆現役ドラフト プロ野球選手会の要望に日本野球機構(NPB)が応じ、約4年間の話し合いの末、今オフから導入された。各球団は契約保留選手名簿の中から、外国人選手、複数年契約選手、FA資格選手、育成選手など8項目にあたる選手をのぞき、指名対象選手を2人以上、事前に提出。各球団は全体の対象選手リストの中から予備指名を行う。他球団からの予備指名をもっとも多く集めた球団が暫定指名順位1位となり、本指名で最初に指名する。指名された球団が次に指名する流れを基本とし、1巡目は必ず各球団1人が出て、1人が入る仕組みとなっている。希望した球団により、2巡目まで行われる。

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