プロ11年目の中日松葉貴大投手(32)が開幕投手に名乗りを上げた。

立浪監督は今季に開幕投手決定について「まだ考えていない。来年の仕上がり具合を見てから」と明言。伝え聞いた松葉の目が輝いた。「それを聞いたら、狙いに行くしかない。選ばれた人しか投げられない。正直、ローテーションの投手で一番下と思っている。彼らに勝てることは、そこに対しての投げたい貪欲さ、気持ちは勝っていると思う」。昨季は6勝7敗で、大野雄、柳、小笠原に次ぐ先発勝利をもたらした左腕が、プロ入り初の大役へ意気込んだ。

昨季、国内FA権を獲得。行使も検討したが、「立浪監督と野球をしたい」と封印して中日残留を決めた。オフは秋季練習、キャンプを免除。「1人で任されている以上は、今まで以上に結果が問われる。責任は今まで以上に感じている」と、ナゴヤ球場で体をいじめ続けている。

昨季序盤はバンテリンドームでの6回限定起用で、SNS上では「定時退社」ともやゆされた。「(開幕戦は)たった1試合かもしれないが、チームの流れ、3連戦の流れを大きく変える。ひりつくような試合を投手ならば投げてみたい」。11年目で初の開幕投手ゲットへ、ベテラン左腕が、3月31日のプロ野球“始業日”からフル回転を宣言した。【伊東大介】