幻惑投法だ。ソフトバンクのドラフト2位、大津亮介投手(24=日本製鉄鹿島)が11日、指揮官をも惑わす軟投を見せた。宮崎春季キャンプの第3クール初日。初実戦となるシート打撃に登板し、打者9人に無安打の好投。得意のカットボール、ワンシームなど「7色の変化球」を駆使。近藤や栗原、中村晃ら巧打者たちを手玉に取った。

「何を投げてるのか分かんない」。

そう苦笑するのはケージ裏から見ていた藤本博史監督(59)だ。「面白いよね。130キロ台の球が3~4種類ある。今日のピッチングだけなら合格です」。開幕ローテーション入りを目指すルーキーが、必死のアピールに成功。大津も「特に緊張はなくて普段通りにできました。自信つきました」と胸を張った。

初バッテリーを組んだ谷川原とは、あまりの球種の多さにサインが合わなかった。「1回も欲しいボールのサインが出なくて…。いろいろやってくれていましたが、なかなか外のスライダー(のサイン)が出なかった」と、こちらも苦笑い。5人目周東の打席では、フルカウントからの決め球が決まらず、マウンド上で思わず笑った。新人かつ軟投派ならではの一面だ。受けた谷川原は「変化球も多いし、曲がりも大きい。初見では打ちにくいと思います」と太鼓判を押した。

1人目ガルビスに対しては、初球に106キロのカーブ。最後は146キロの直球で三飛に仕留めた。40キロ差の緩急も大津の持ち味。「カーブで目線を浮かせた後の真っすぐ。緩急を大切にしていきたいなと思います」。体重63キロは今季のNPB投手最軽量だが、抜群の身体能力で勝負している。

藤本監督は「ひょっとしたら開幕ローテーションに入る。これからの実戦次第」と話した。次回は今クール最終14日の紅白戦で登板予定。大津は「頑張りたいです。食い込めるように」と引き締めた。【只松憲】

◆大津亮介(おおつ・りょうすけ)1999年(平11)1月13日生まれ、福岡県出身。九産大九州-帝京大-日本製鉄鹿島を経て22年ドラフト2位でソフトバンク入団。サッカー日本代表のDF冨安健洋(24=アーセナル)は九産大九州時代の同級生。入寮の際は地元の福岡・志免町(しめまち)のゆるキャラ「シメッチャ」のぬいぐるみを持参した。175センチ、63キロ。右投げ左打ち。

○…新加入のガンケルが初のブルペン投球を行った。捕手の甲斐を座らせて23球。スライダーやフォークなども交え「投げているうちにボールのスピンもコントロールもよくなったよ」と手応えを感じた。2日には近親者が亡くなったため一時帰国もあったが「今の予定では(キャンプ中に)試合で投げるという話はコーチとしているよ」と意欲的だった。

○…ドラフト5位松本晴投手(21=亜大)もシート打撃に登板し打者8人をヒット2本に抑えた。「緊張して入った。初めは納得いくボールが少なかったが、課題である変化球も実戦で試すこともできましたし、次につながる実戦練習だった」と納得した。甲斐のバットを折り、リチャードは147キロの直球で見逃し三振。「真っすぐはよくなってきているので、あとは変化球の精度、制球力」とさらなるアピールに向け意欲を見せた。

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