広島大瀬良大地投手(31)が5年連続5度目の開幕投手を務めることが決まった。5年連続は黒田に次いで球団3人目。巨人とのオープン戦(沖縄セルラー)で2回1安打1四球無失点と好投し、最速150キロの直球に力強さもあった。降板後に新井監督から指名された。昨季から巻き返しを期す大黒柱が3月31日にセ・リーグ連覇中のヤクルトとの開幕戦マウンドに立つ。

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ほぼ手中にしていた開幕投手の座を確定させた。巨人戦に先発した大瀬良は、最速150キロの直球を中心に力で押した。1回1死二、三塁では中田翔を、2回は先頭坂本をいずれも高め真っすぐでフライアウトに打ち取った。2回を投げ、1安打1四球無失点。キャンプ初日から順調な仕上がりを示し、初の対外試合で好投。降板後、新井監督から直接、開幕投手の指名を受けた。

「身も引き締まる思いですし、しっかりと役割をまっとうできれば」

昨季は8勝9敗、自己ワーストの防御率4・72。不本意な成績が続くだけに、今季にかける思いは人一倍強い。だからか、立ち上がりは気合が空転した。直球2球で追い込んだオコエに、3球目スライダーが指に掛かりきらず、二塁打を許した。続く吉川には直球を続けるも、高めに抜けたストレートの四球。「昨年の悔しい思いもありますし、そこを覆すという思いが強かったので、空回りしてしまった」。ひと呼吸置いて冷静さを取り戻した。

昨年減量した体重を戻し、キャンプ中の球数も増やした。直球は球速だけでなく、高めでも中軸打者を押し込めるだけの球威もある。「昨年の(真っすぐの)力強さだったら、僕の選択肢に入ってこなかった。シーズンの中で使えるかなという手応えもあった」。取り組んできた成果が実を結び、大きく胸を張った。

新井監督も納得の指名だった。「ここまで大地がいいものを見せてくれている。今日の登板を見て“任せた”と伝えました。1年間、投手陣の中心として引っ張ってくれと」。5年連続開幕投手は球団では黒田に次ぎ、3人目。託したものは開幕戦の1試合のみではない。143試合を通して、先発陣の先頭で引っ張っていく役割を託したのだ。本人も自覚する。「しっかりいいスタートを切って、1年間チームに貢献できるように頑張ろうと改めて思いました」。3月31日のマウンドは、巻き返しを期すシーズンのスタート地点に過ぎない。【前原淳】

○…戸根千明投手が古巣巨人相手に結果を残した。試合前は巨人の原監督にあいさつし、選手らと旧交を温めるも、勝負は別物。3回に2番手として登板し、2死から吉川に中越え二塁打を許すも長野を二飛に打ち取った。「今回は(両軍の関係者、ファン)みなさんに見ていただいて感無量じゃないけど、何かすがすがしい気持ちでマウンドに上がれた。ある程度、結果もしっかり付いたので、そこは良かった」。活躍がチームと、古巣への恩返しとなる。

○…対外試合初出場の菊池涼介内野手が貫禄の二塁打を記録した。「2番・二塁」で先発出場し、1回無死二塁から巨人井上の直球を振り抜き、左翼線を破った。相手のミスも重なり、先制点をもたらした。「ちゃんと(個別調整する)時間もいただいてメニューを外れているところもあるので、結果を残さないとダメだと思う」。一部別メニューが続いていたが、きっちりと仕上げてきた。

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