西武柘植世那捕手(25)は潔かった。

「あれはもう、僕のミスっす」

2回1死、ソフトバンク5番牧原大をフォークで空振り三振にした…はずだった。しかし柘植がまさかの捕逸。奇しくも、その振り逃げがあったことで高橋光成投手(26)が1イニング4奪三振の珍記録を樹立。「柘植のおかげですね」と笑った。

柘植のフォークのサインに対し、高橋はフォークを投げた。しかし。「ちょっとカット、フォースラっていうか。ちょっと、そこで捕れなかったです」。フォークがわずかに横の動きをしたことで、取り損ねたという。

しかし、高橋の8回無失点投球をお膳立てしたのも柘植だ。「真っすぐがちょっと風の影響もあって、すごくいろんな動きをしてたので」。相手打者の特徴も踏まえながら、臨機応変に風の作用を使っていった。

9回にはスクイズを成功させ、大きな3点目に貢献した。「もう、決めるしかないと。(サインが)出た瞬間、驚かずに。普通に」。僅差続きの日々に経験を重ね、古賀悠斗捕手(23)との正捕手争いのレベルもどんどん上がっていく。【金子真仁】

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