首位ソフトバンクが今季初の完封負けで2連敗を喫し、九州6地区を巡る「ファイト! 九州デー」の第1弾は黒星スタートとなった。19年5月から21年9月まで9連敗を喫した西武先発高橋の前に打線が沈黙。かつての天敵に8回を3安打に抑え込まれた藤本博史監督(59)は「最高のピッチングをされた」と脱帽し「完全に高橋君にやられたので、次はやり返しましょう」と前を向いた。

150キロを超える直球に加え、カットボールとフォークに手を焼いた、2回は牧原大が振り逃げで出塁したが、栗原見逃し、中村晃空振り、上林空振りで1イニング4三振。18年7月8日にオリックス・ディクソンに喫して以来、チーム5年ぶりの屈辱も味わった。計11三振を喫し、打線が完全に分断された。

「ああいうところはしっかりしないといけないよね」と、指揮官が嘆いたのは8回の攻撃だ。1点を追う展開で先頭上林が二塁打。打球が一塁ベースを直撃し、ラッキーな形でのチャンスメークだった。だが、続く甲斐が送りバントを失敗。上林は三塁で憤死し、好機がしぼんだ。藤本監督は「しっかりやらないと得点にならないからね。だれしも失敗はするけど、これから失敗がないようにね」とカツを入れた。

キャンプ地宮崎での試合は21年に続き2連敗。9日は「「ファイト! 九州デー」第2弾の鹿児島開催。エンスを打って、しっかり借りを返したい。【只松憲】

■初回先頭被弾悔やむ

ソフトバンク先発の大関がプレーボール直後の1球を悔やんだ。初回先頭、愛斗へのカウント1-0からの2球目。外角寄りの直球を左翼への先制ソロにされた。「あの1点で負けてしまった。その1点が、相手投手とまだ差があったと感じた。先頭のホームランは流れ的にも苦しくなる」。2回以降は西武打線を散発4安打無失点に封じただけに、痛恨の1球になった。

初の開幕投手を務めた3月31日のロッテ戦は7回2安打無失点で白星をつかんだ。連勝発進を目指して気合十分だったが、打線の援護なくいきなり浴びた先制パンチが最後まで響いた。「2回以降は自分らしく粘り強い投球ができた。次回の登板は違った姿を初回から見せていきたい。しっかり9回投げ切るようにしたい」。8回1/3、107球の奮投。次戦は白星で飾る。

◆ソフトバンクの1イニング4三振 18年7月8日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で8回にディクソンに喫して以来5年ぶり。この時は全員空振り三振で、松田宣浩(現巨人)、西田哲朗(現球団広報)、牧原大成(振り逃げ)、長谷川勇也(現1軍打撃コーチ)が苦渋をなめた。

◆ソフトバンク23年の「ファイト! 九州デー」

・4月8日=宮崎(西武戦)

・4月9日=鹿児島(西武戦)

・4月25日=北九州(楽天戦)

・5月9日=熊本(日本ハム戦)

・6月25日=福岡(オリックス戦)

・8月29日=長崎(オリックス戦)