日本ハムの5番万波中正外野手(23)が不穏な空気を振り払った。1点を追う4回1死二塁。カウント2-1からの4球目を捉え、右翼線へ同点適時二塁打を放った。「流れが切れかけたところで、タイムリーが出て良かったです」。万波の打席の直前で、両軍指揮官による“ダブル・リクエスト”から約6分間の試合中断があった。

4回先頭の3番清宮が右前打で出塁し、4番野村が中堅フェンス直撃の二塁打。清宮が一塁から一気に本塁へ突入し、クロスプレーとなったが判定はセーフとなった場面で両チームからリクエストが要求された。

新庄監督は野村の打球が本塁打ではないか、藤本監督はクロスプレーがアウトではないか、というリクエスト。審判団は「(野村の打球が)ホームランかどうかの打球に対して、審判員自らのリクエストを先に行います」と場内アナウンスし、まずは二塁打と確認。続いて藤本監督のリクエストを受けてクロスプレーの判定はアウトに覆った。

その後も両軍指揮官がそれぞれ経緯の説明を求めるなど、予期せぬ形で試合が止まったが、好調の万波には関係なかった。これで5試合連続打点。日本ハムの新5番は、着実に成長している。【木下大輔】