オリックス山本由伸投手(24)が試行錯誤しながら、6回4安打1失点3四球で3試合ぶりの2勝目を手にした。初回に先制点を与えるも、粘りの投球でチームの3連敗を阻止した。今季から左足を上げない新フォームに挑戦中で、試合中にも修正しながら完成を目指している最中。さらなる進化を目指しながら、しっかり白星も手にした。

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マウンドに立つ山本が少し苦笑いしながら、天を仰いだ。「いいボールもありますけど、思っていたボールとは違うのもたくさんある。シーズン最初ですし、徐々に精度は上がっていくと思います」。振り返る声色に焦りはない。

初回先頭の平沢に四球。1死一塁から3番井上に先制の中越え適時二塁打を浴びたが、そこから粘った。「フォアボールでランナー出したり反省点はたくさんあったんですけど、とにかく無失点で粘るということに集中して投げました」。2回以外は毎回走者を背負いながら、最少失点で投げ抜いた。

前回22日西武戦では、自己ワースト11安打を浴び8回途中3失点。「ちょっと上半身に力みがあったり」という同戦では、過去に試合中の修正に有効に使えたカーブを多投した。この日は2回に連続三振を奪うなどスライダーを要所で投球。「悪くはないですけど、良くはないと思います。前回よりはマシだと思います」。持てる技を最大限に使って踏ん張った。

今季から左足を上げない新フォームに挑戦。「うまく投げられている時と、投げられていない時があるので。もうちょっと長い期間投げてみて」。アップの合間、同僚の宮城と話している時も、気がつけばフォームを確認する姿がある。昨季2年連続の投手4冠を受賞しても、よりよい理想を追い求めている最中だ。

中嶋監督も進化の行方を見守っている。「本当に修正しながら投げていると思うんですけどね。なかなか修正つかずというね。1週間の中でやっているのと、ゲームでは違う感覚になると思いますし。合い出したらいいんでしょうけど」。それでも勝つのがエースの力。次は山本自身も満足できる3勝目をつかみたい。【磯綾乃】

▽オリックス平野佳(今季初の連投で9回を3者凡退に抑えて6セーブ目)「1点差の場面だったので3人で抑えられて良かった。(連投は)問題ないです」

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