選手会長が勝利を引き寄せた。日本ハム松本剛外野手(29)が10試合連続安打となる貴重な先制打で、新球場エスコンフィールド初のカード勝ち越しに導いた。

0-0の3回1死満塁で先制の右前適時打。5回1死では中前打を放ち、今季6度目のマルチ安打もマークした。プロ1号を放った矢沢と“新旧12番”が躍動。好調なチームリーダーを中心に4月を連勝で締め、次は反撃の5月につなげる。

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2年連続の首位打者へ、松本剛のギアが一段、上がった。0-0の3回1死満塁、ソフトバンク先発藤井の外寄りのフォークを、きれいに右前へ運んだ。前日29日は2回無死満塁で遊飛に倒れており「昨日はポップフライに終わっていたので。同じ場面で来たなと。チャンスで取り返そうと思った」。しっかり“雪辱”の先制打を放ち、新球場初連勝につなげた。

これで3安打を放った4月19日西武戦(エスコンフィールド)から10試合連続安打。25日オリックス戦(同)では4安打放つなど好調で、最近10試合は40打数17安打、打率4割2分5厘。スイッチが入ったように見えるが「めちゃめちゃ良い感じはない。試合の中で日々いろいろ考えながらこれならいけるな、というのを見つけながらゲームに臨んでいる」と謙虚に話した。

ヒットメーカーとしての独特な感性がある。「僕の場合はきれいなヒットを求め過ぎたときはダメ。泥くさいヒット、詰まったヒット、泳いだヒットというのがヒットゾーンに飛ぶのはスイング軌道がいいから」。調子が戻ってきたきっかけに、22日楽天戦の遊撃内野安打を挙げ「あのボテボテが出て、ちょっとヒット出るかなという上向きな感じがあった」。感覚に磨きがかかり、自己最長となる18年の13試合連続安打まで残り3戦に迫った。

最下位に沈む現状に選手会長としての責任も感じている。開幕後は空席が目立ち「気になった。悔しい気持ち。『勝ったら入ってくれるぞ』というのをみんなに結構言ってきた」。4月最終戦を2連勝で締め、次は5月攻勢だ。ゴールデンウイークに入り「大型連休で大型連勝といきたい」。3月の2割5分から2割9分2厘に上げ、3割が見えてきた。ここからトップギアに入れ、チーム順位も引き上げる。【永野高輔】

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