日本ハムのドラフト6位右腕、宮内春輝投手(26)が5日、楽天7回戦(エスコンフィールド)でプロ初勝利を挙げた。1点ビハインドの8回に2番手として登板し、先頭に二塁打を許すなどピンチを背負ったが、強気の投球で無失点で切り抜けた。オールドルーキーが劣勢の流れを変えるとその裏、打線が4点を奪って逆転に成功。プロ5戦目で初勝利を手にした宮内が、チームの最下位脱出に貢献した。

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宮内がうれしいプロ初勝利だ。1-2の8回から2番手で登板。先頭に二塁打を浴びるなど2死一、三塁のピンチを招いたが、追加点を許さなかった。その裏、味方打線が万波の2点適時二塁打などで4点を挙げて逆転。白星が宮内に転がりこんだ。中継ぎ5戦目での勝利投手に、「初勝利がこんなに早く来るとは思わなかった」。初のお立ち台にも立ち、25日に27歳の誕生日を迎えるルーキーは「27歳の、1年目の宮内春輝です」と本拠地に詰め掛けたファンに自己紹介した。

同期の活躍も刺激にしてきた。開幕1軍入りを果たした矢沢や奈良間、金村が一足先に活躍していた中、宮内は4月19日に1軍初昇格を果たしていた。「すごく刺激になる。自分も頑張らなきゃと思って投げている」。勝利球は女手一つで育ててくれた母和美さん(56)に渡すつもりだ。「どこで試合をやっていても、どんなに遠くても見に来てくれていたので、感謝しかない。いつ渡せるか分からないですけど」。14日の母の日を前に、プロ初勝利という大きなプレゼントを用意した。

4月30日のソフトバンク戦(エスコンフィールド)では5回1死満塁のピンチで登板し、火消しに成功した。試合後、1度は勝利球を受け取ったが、勝利投手は堀だったため、初勝利はお預けとなっていた。「今回も若干、勝利投手でいいのかなと。最後まで分からないので」と降板後の心境を振り返った。僅差の場面を任されることも多くなり、「緊迫した場面で使ってもらえるのは、うれしい。気持ちが入りやすいので楽しくやれています」。記念の1勝で自信を付けたオールドルーキーが、上位浮上に欠かせないピースになる。【石井翔太】

 

宮内春輝(みやうち・はるき)

◆生まれ 1996年(平8)5月25日、千葉県旭市出身。

◆球歴 吉田小3年から吉田スポーツ少年団で野球を始め、中学時代は九十九シニアでプレー。多古では甲子園出場経験なし。

◆横手投げに 進学した明星大2年に横手投げに変更。その後、4年秋に首都大学リーグ2部の最優秀選手に選出されるなど活躍した。

◆才能開花 日本製紙石巻入社3年目にウエートトレーニングに力を入れ、球速は最速152キロにアップ。

◆遅咲き 高校、大学では志望届を提出したことはなく、ラストチャンスという思いのあった昨年のドラフトで日本ハムから6位指名。26歳でのプロ入りだった。

◆スニーカー収集 趣味はスニーカーを収集すること。1月の入寮時には6足ほど持参。最も高価なのが、昨年12月に抽選でゲットした米人気歌手のトラヴィス・スコットとナイキがコラボした「エアジョーダン1」。定価は約2万円だが、すでに10倍の約20万円の価値が付いているという。

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