幻弾からの本物弾だ! 阪神佐藤輝明内野手(24)が、“打ち直し”でバックスクリーンに中押しの5号ソロを運んだ。3点リードの3回1死の第2打席。今永の2球目、146キロをたたいた飛球は浜風に流され、左翼ポール際への大ファウルに。あと数メートルで本塁打という幻アーチになった。それでも仕切り直して集中力はマックス。カウント2-2から低めにきた146キロに少し泳がされたが、ライナー性の弾道でバックスクリーンへ運んだ。

「いや~あれ(ファウル)も入って欲しかったんですけどね。でも、切り替えて日本を代表する投手から打てたのでよかったです」

4試合16打席ぶり、チームトップの豪快5号アーチに会心だ。昨季は、甲子園でバックスクリーン弾を打った選手に賞金100万円が贈られたが、今季からその企画がなくなっていた。本人も「勘違いしてました(笑い)。残念です」と幻に終わった100万円弾を笑った。

エース今永にもリベンジした。昨季の対戦は12打席で2安打。対戦打率は1割8分2厘だったが、2回にも右前打を放つなど、この日だけで2安打。アーチも初めてだった。「四球も今日、1つ選びましたし、どんどん状態上げていければ」と3出塁に好感触だ。交流戦前ラストのDeNAとの首位攻防3連戦初戦で、付加価値の高い活躍で勝利に貢献した。

岡田監督は「今日もだいぶ打撃コーチに言うたよ。あまりにも悪かったからな。打つ前にだいぶ修正はしてたみたい」と苦笑い。それでも「あの追加点も大きかったよ、はっきり言うて」と賛辞を惜しまなかった。「だからねえ、そんな力いっぱい振らなくても芯に当たれば飛んでいく、そういう感覚をつかんでくれたら」とハッパもかけた。

今回の3連戦は女性ファン向けイベント「TORACO DAY」として開催。お立ち台では「放りこんだる気持ちで打席に立ちました! 絶対に3連勝します!」とおとこ気あふれる言葉でファンを沸かせた。「すごい声援を感じていました。甲子園で打ててよかった」。かっこ良すぎる活躍で、甲子園に黄色い歓声を響かせた。【三宅ひとみ】

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