阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が、プロ初のサヨナラ打を放った。0-0の9回裏2死一、二塁。広島森下暢仁(まさと)投手(25)から左前適時打を決め、サヨナラ勝ちを決めた。

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森下には、地元横浜に最高の仲間がいる。2歳頃から交流のある幼なじみの諏訪部凌さん(22)だ。この日は自宅でテレビ観戦。ヒーローインタビューで笑顔を見せる森下にテレビ越しでも思わず釣られて笑った。「さすがだなって。これからもたくさんキツいこともあると思うけど頑張って欲しいです」と自分のことのように喜んだ。

保育園で出会い、気づけばずっと一緒に遊んでいた。両家は家族ぐるみでの付き合いが今でも続く。諏訪部さんは保育園からサッカーを始め、森下も一緒に遊んだ。「初めは新聞紙を丸めて、それを蹴って、ずっと遊んでいました。地元の友達と遊ぶ時は基本、サッカーばかりしていました」諏訪部さんは振り返る。森下にとって友達とサッカーやゲームをして遊ぶのが大切な時間。諏訪部さんから見た森下は「優しくて、穏やか」。1度もけんかをしたことがないという。それでも、サッカーやゲームなどの勝負事では負けず嫌いが顔をのぞかせ、勝てるまで勝負を挑んできたのが思い出だ。

2人は高校から別々の道を歩んだが、定期的に連絡を取った。年末年始の帰省時には必ず集まる。今回は箱根温泉とディズニーランドに行った。同じく新社会人となった諏訪部さんも、野球観戦の頻度が増えてきた。「直接、面と向かって言うのは恥ずかしいんですけど…。どんなに苦しくても僕たち地元の友達はずっと応援している最強のファンと思って欲しいです。翔太が野球でプレーしている姿を見ると、皆が頑張れると言っています。僕もその1人」とエールを送る。高校時代から寮生活の背番号1も「地元の友達は大切で、最高の仲間です」と言い切る。初めての関西での生活でも、「最強のファン」が原動力のひとつになっている。【阪神担当 三宅ひとみ】