阪神湯浅京己投手(22)は内心、ヒヤヒヤだった。右腕コンディション不良から復活し、1軍昇格で即やってきた復帰登板。1点リードの8回に2番手でマウンドへ。2死から四球と安打で一、二塁のピンチを作った。ボールが先行するシーンが目立ち「3人で抑えようと思って行ったけど、変に力んじゃってヒヤヒヤでした」と振り返った。

「心の中で“キリー”って叫んでました。“キリごめん”って言ってました」

“キリ”とは、同学年で自主トレをともにした桐敷拓馬投手(23)。7回1失点で勝利投手の権利を得てマウンドを降りていた。

「去年から同級生で誰が(先に)初勝利するやろなって話していて。自分がもらったんですけど、初勝利。キリも自主トレからずっと一緒にやっていて。今日は練習からリラックスしてたので大丈夫やろと。だから余計に3人で終わらせて、自分もいい感じでいきたかったけど、逆に力みました。でも、よかったです」。最後は岡本和を151キロの直球で中飛に打ち取り、安堵(あんど)した。

アドレナリンを出しまくった右腕は、「しっかり寝られそうか」との問いに「簡単に寝れます」と笑い、取材エリアを後にした。【中野椋】

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