オリックス杉本裕太郎外野手(32)が、合流即で復活の1発を放った。リーグ単独トップに躍り出る先制の9号ソロをマークし、チームを今季2度目の4連勝に導いた。今月4日に左ふくらはぎの軽度筋損傷で出場選手登録を抹消されてから、この日約3週間ぶりに1軍に合流。復帰後の第1打席でいきなりの豪快なアーチとなった。

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杉本は久しぶりの大歓声を体いっぱいに浴びた。「やっぱり、1軍の舞台で打って声援をもらえるというのは、気持ちいいですね」。24日ぶりに1軍の打席に立った3回、西武松本の143キロ直球を強振した。打球はバックスクリーンへ一直線。「皆さん、ただいま!」。元気よく帰還を告げる先制アーチになった。

2度の2戦連発をマークするなど、好調な中での離脱だった。「もったいないなと思ったんですけど。まだ5月だったので、後半の方が大事やと思いますし、1日でも早く戻って、早く治そうという気持ちでリハビリしていました」。約1週間前にケガは癒えたが「バッティングが、あんまりええ感じじゃなくて」。ケガ明けで無意識に怖さが出ていたが、それでも復活するのが主砲の姿。2軍で試合を重ねるごとに、本来の強い振りを取り戻した。

この日も“幸せの黄色”は輝いていた。打撃手袋を昨季の白色から、今季は黄色にチェンジ。「2、3年前から急に好きになって…。黄色いものを見たらすぐに買っちゃうんです」。肘当てなどの用具はもちろん、遠征用のかばんも携帯ケースも、試合中に汗を拭うタオルまで。黄色いアウターも持っている。幸運の色と呼ばれることには「言われてますよね」と意に介さないが、身につけるようになったのは1軍に定着した頃から。自然とハッピーオーラをまとっているのかもしれない。

復帰即の1発に中嶋監督も「非常にチームがホッとしたと言いますか。いい流れを持ってきてくれた」。4連敗のあとの4連勝。帰ってきた主砲が勝ち運をもたらし、首位ロッテに1・5差に迫った。【磯綾乃】