阪神島田海吏外野手(27)が「神走塁」でチームを救った。6-7と1点を追う8回先頭で代打で出場。「何が何でも出てやろう」と、左前打で出塁。1死から木浪が左翼線二塁打でつないだ。1死二、三塁で代打渡辺諒が初球をたたき、打球は遊撃左へ。ロッテ友杉が飛びつき、懸命に本塁送球。三塁から迷わずスタートした島田は快足を飛ばし、捕手田村のタッチをギリギリでかいくぐった。左手で同点のホームを触れた。記録は野選。間一髪の神業で敗戦危機を救った。

「絶対ホームにかえろうと思ってたんで。ナベ(渡辺諒)がいいとこに打ってくれたんで、その分セーフになったのかなと」

瞬時の判断だった。猛ダッシュ中に田村の動きを見て、「僕と反対側(一塁側)にちょっとそれていきそうな捕り方に見えて、ちょっとかわせそうな形を取れたんで。そこを見られたのが大きかった。意外と冷静に入れましたし、しっかり見て判断できたと思います」と胸を張った。岡田監督就任直後の昨年11月秋季キャンプから実施していた、本塁ベースの大半をタオルで隠し、下方の一部を目指してスライディングする練習が生きた形となった。

途中出場から抜群の集中力と判断力をみせ、劣勢ムードを一転させた。島田は「負けないことは本当に非常に大きいものだと思うので。そこはチームにとっても良かったと思います。次につながる試合になったんじゃないかなと思います」と前を向き、充実の表情でロッカールームへ引き揚げた。【古財稜明】

■渡辺諒、代打遊ゴ同点劇

渡辺諒が同点劇を完成させた。1点ビハインドの8回1死二、三塁で代打登場。ペルドモの変化球を強振し、三遊間への痛烈なゴロで野選を誘った。「カイリ(島田)が良い走塁をしてくれた。ゴロを打てば、なんとかなると思っていた。ヒットを打ちたかったけれど、結果的には同点になったので良かった」。

■佐藤輝、初三塁打も3K

佐藤輝が今季初の三塁打を放った。4回先頭でロッテ小島のスライダーを捉え、中堅フェンスに直撃させた。中堅手岡が打球処理にもたつく間に二塁ベースを蹴った。だが、その後は快音とはならず3三振。守備でも2回と延長10回に失策を喫し、悔しさが残る1日となった。

■梅野、復調気配マルチ

梅野が今季3度目のマルチ安打を放った。2点リードの4回1死三塁から右翼へ適時打を放つと、6回には左前打。5打数2安打1打点で3試合連続安打。5月21日広島戦以来の複数安打となった。前日4日に今季1号を放っており、打点も2試合連続。今季は一時0割9分4厘と不調に陥った中、復調気配だ。

■浜地、痛恨被弾動けず

浜地が痛恨の1発で一時逆転を許した。2点リードの7回に登板。内野安打と四球などで1死一、二塁のピンチを招くと、ロッテ山口に150キロ直球を捉えられ、左中間席への勝ち越し3ランを許した。「勝てなかったのは完全に自分の責任。すごく責任を感じてますし、批判されるべき投球だったと思う」。今季5本目の悔しい被弾。直後にはマウンド前方でしゃがみこみ、しばらく動くことができなかった。

<コメント>

島本(2番手で1回1/3を無失点)「久々の登板でしたけど、これ以上追加点を取られてはいけない状況だったので、なんとか0で切り抜けることができて良かった」

岩崎(9回に登板し3者凡退の無失点)「0点に抑えることができて良かったです」

加治屋(延長10回に登板し、2死二塁のピンチも無失点)「みんな粘って投げ続けてくれていましたし、なんとか0で戻ってくることができて良かった」