昨季パ・リーグ新人王の西武水上由伸投手(24)が約3カ月ぶりに1軍マウンドに上がった。

4点を追う6回、2番手として登板。スライダーとシュートを駆使し、わずか9球で3者凡退にした。「楽しかったです。良かったんじゃないですか。どうでした?」と報道陣に問いかけるなど、しゃべりもらしさが戻ってきた。

2試合で打者8人に1安打3四球。直球も140キロ少々がいいところ。持ち味を出せずに2軍に落ち、2軍でも打ち込まれた。

プロ2年目の昨季、35ホールドで花開いた。しかし、今季はキャンプ中から球が走らない。松井稼頭央監督(47)も気にしていた。

「球速も出なかったですし、水上の独特のスライダーといいますかね。あの曲がり具合がちょっと早めに曲がっていたんじゃないかという感じも受けましたしね」

5月17日、イースタン・リーグのヤクルト戦(カーミニークフィールド)では打者6人に1本塁打含む3安打、2四死球。アウト1つで5失点。防御率も10点台になっていた。

「正直、悩んではいました。投げながらも。気が散りながら投げてたんで、そっちのほうに(意識が)行っちゃって」

登録抹消中には、3軍に属した時期もある。「肩痛めて、ボールボーイからやって。すごくいい経験でした。少年野球ぶりのボールボーイでした」。

この日は直球が148キロ、シュートも146キロ。「ポイントポイントをしっかり直せれば戻るってことが分かったので、それが知れていい時間になったと思います」。本来の躍動感を感じさせる復帰戦だった。

もちろん元のポジション、必勝リレーのセットアッパーに返り咲きたい。

「今は信頼はゼロだと思うので、またそういうところで投げさせてもらえるように頑張ります」

松井監督は「良かったですね。ちょっと本当、戻ってきたなという感じは受けましたからね。精度的にも非常に良かったと思う」と、敗戦の振り返りで沈みかけた言葉に張りを戻した。

シーズンも半ばを過ぎ、リリーフ陣にも疲れが出始めている。

「そこで水上が入ってきてくれると、中継ぎ陣も1つ、層が厚くなると思いますので」

松井監督はリード時の登板についても「そうですよね。そこも含めて、コーチと話をしていきたいです」と言及した。今季2度目の7連敗。状況は苦しい。何とか序盤でリードし、勝ちきりたい-。帰ってきた水上は、そこで力を出せる投手だ。【金子真仁】

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