巨人のメガゴジラが本家ゴジラを超えた。秋広優人内野手(20)がDeNA山崎から右中間席へ、2ケタに到達させる10号ソロを放った。松井秀喜でも届かなかった高卒3年目までの4戦連発は球団史上初の快挙。球界では日本ハム時代の中田翔以来となった。身長2メートルの1軍最年少の“ビッグボーイ”の存在感が日を追うごとに巨大化。チームは2連勝で3位DeNAに1・5ゲーム差と迫った。

秋広が兄貴たちの待つベンチに、ダブルピースで帰ってきた。3点リードの7回2死、DeNA山崎の真ん中付近の151キロ直球をすくい上げた。3ボールから迷いなく振り抜いた打球は、6秒間舞い上がって右中間席に着弾する10号ソロ。「手の届くところに来たら、思い切り振ろうと思っていた」と4戦連発を決めた。

特大級の潜在能力ゆえ、1軍最年少20歳の“末っ子”には甘えは許されない。原監督は「まだ始まったばかり。可能性をうんと秘めているわけだから。固定観念で見ちゃうとね」と、目指すべき場所ははるか先にある。

現役時代に通算2132安打、406本塁打を誇る阿部ヘッド兼バッテリーコーチも「あと何本? と毎回聞いてるよ」と、通算10本塁打、72安打では満足させない。

師匠中田翔も「試合に出続けて結果を出してるからすごいこと。ただ確認を怠ったらこの世界では難しい」と、日々の打席やフォームの復習を徹底させる。

亀井打撃コーチからは「今日、言ったことを明日は忘れてしまうタイプだった。それが今は『そこ待つ』って言ったら徹底的に待てる」と、昨季からの成長ぶりを称賛された。

秋広は期待に応えるべく、ありがたい助言を謙虚に吸収する。「余裕はないです。いつ打てなくなるか分からないので危機感持ってやってます」と、日々、必死に食らいつく。

人懐っこくて、イジられキャラで憎まれないタイプ。試合後には、ロッカールームから取材エリアへ通じる約1メートル80センチのドアを開けるも、身長2メートルとデカすぎてドアの上部の壁に頭をゴツン。「痛っ!」 え、ドッキリですか?(笑い)」とおどけて笑いを誘った。“兄貴”たちに見守られながら、メガゴジラがすくすく成長している。【小早川宗一郎】

▼高卒3年目の秋広が4試合連続本塁打。2リーグ制後、高卒3年目以内に4戦連続本塁打を記録したのは、10年中田(日本ハム)以来13年ぶり5人目。セ・リーグでは75年に2年目で記録した掛布(阪神)以来48年ぶりだ。巨人では83年吉村、94、95年松井が記録した3戦連発を上回り、球団初となった。なお、中田ら過去の4人は4試合どまりで、秋広が次戦も打つと史上最年少での5戦連発になる。

【関連記事】巨人ニュース一覧