ソフトバンクが何とも厳しい現実を突きつけられてしまった。敵地ベルーナドームで今季初の2戦連続の0封負け。

首位オリックスがサヨナラ勝ちしたため、2年ぶりに自力Vが消滅した。05年にソフトバンクとなってから、92試合目の自力V消滅は最速。3年ぶりV奪回を掲げながら夏場の大失速。試合後の藤本監督の声のトーンも低かった。

「切り替えて、明後日から頑張りましょう」。ベルーナドームの長い階段を上り終えて、息を整えても悔しさはにじみ出る。先手必勝を誓って今季初めて主軸である近藤、柳田の打順を入れ替えたものの、まったく効果はなし。西武先発与座の緩急投法に二塁さえ踏めず、5回までパーフェクトに封じられた。「与座がいいコースに投げていたからね。でも何とかね」。ベンチで奥歯をかみしめながら凡打を繰り返す打線を見つめるしかなかった。

先発石川が3回に先制を許すと、続く4回には2死一塁から呉念庭に右翼線を破られ、2点目を失った。少ないチャンスをものにするレオ打線とは対照的に打線はワンチャンスもものにできない。6回には先頭リチャードがチーム初ヒットとなる左前打で出塁したが、続く周東が二ゴロ併殺打。2死となって9番甲斐が中前打したものの1番牧原大が三直に倒れ、得点圏に走者を送ることすらできずにシャットアウト負けだ。

打てない、抑えられない…。チームに復元力はあるのだろうか。今季の通算成績は46勝44敗2分け。貯金「2」としているが、交流戦(11勝7敗)の数字を差し引くと、リーグ戦成績は借金2。下位西武に5連敗を喫し、各カードの対戦成績では日本ハムに勝ち越しているだけだ。秋風が吹くにはあまりにも早すぎる。【佐竹英治】

▼ソフトバンクの自力優勝の可能性が消滅した。残り51試合に全勝しても、97勝44敗2分けで最終勝率は6割8分8厘。オリックスが残り試合でソフトバンク戦8試合に全敗しても、他との43試合に全勝すれば98勝43敗2分けで6割9分5厘となり、ソフトバンクを上回るため。首位オリックスとは今季最大の9ゲーム差が開いた。なお、プロ野球最大の逆転優勝は、63年西鉄の14・5ゲーム差。なお、この日の試合時間2時間8分は、6月14日のDeNA-日本ハム戦(横浜)に並ぶ今季最短だった。

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