その名前がコールされると、「おぉー」と球場にどよめきが起きた。阪神新助っ人コルテン・ブルワー投手(30)がホーム初の1軍戦で、あいさつ代わりの「3人斬り」を見せた。

「最高だね。あれだけの大声援のなかで投げることは本当気持ちよかったですし。これ以上の経験はないと思うよ」

1点を勝ち越した直後の6回に登板。3番から始まる中軸との勝負を任された。先頭細川を三ゴロに打ち取ると、4番宇佐見は「16年ごろから自然と身についた」という勝負球の151キロの高速カットボールで二ゴロ。5番木下の初球では、来日最速となる155キロを計測した。内野ゴロ3つで3者凡退に打ち取り、来日初ホールドを記録。「本当にいい投球ができたと思う。弱いゴロで多く打ちとれている時は調子がいい」と、納得顔で振り返った。

4日に来日し、13日に2軍広島戦で来日実戦初登板。1軍戦では15日広島戦(マツダスタジアム)以来、2試合目で勝ちパターンの登板は初めてとなった。岡田監督も「悪かったらそんなんいけへんやろ、あんな勝ってる展開でね。コントロールもええしね、スライダー、カットもいいからっていうのもあったから」と絶賛の内容。「まあ、いつでもいけるんじゃない、それは。起用方法というかね、勝ちゲームでね」と信頼を勝ち取った。

家族も来場する中での登板。「来てもらった中で、最初のホールドをあげられた。自分にも家族にとってもいい時間になったよ」。初めてのお立ち台では「ガンバルゼー!」とファームで教わった日本語で、意気込みを語った。盤石のブルペン陣で、新助っ人が存在感を高めた。【波部俊之介】

▽阪神大竹(5回8安打2失点と踏ん張ってチームトップの9勝目)「自分自身でもボールに力がないのも感じていた。気持ちでは負けないようにと意識していた」