超満員の甲子園をドラフト1位ルーキーがいきなり沸かせた。
阪神森下翔太外野手(23)がまた打った。初回2死。前回対戦で4打数無安打に抑えられた床田から先制の10号ソロを決めた。1-0決勝打を放った6日中日戦に続く、2試合連続V打点。出場はまだ74試合と少ないが、チームでの勝利打点8個は123試合で13個の4番大山に次ぐ勝負強さだ。
初球、内角低めへのカーブを見逃してボール。カウント1-1となった3球目。低めの119キロカーブを両手フォローで振り抜いた。放物線を描く左翼への先制弾。「初球、確かカーブだった。同じような軌道を見て、それよりちょっと高めに来たので踏み出しました」。普段以上に力を込め、拳を突き出すパフォーマンス「ガオガエンポーズ」で、喜びを爆発させた。
阪神新人の2桁弾は21年の佐藤輝以来2年ぶり。右打者になると、80年に18本塁打を放った岡田彰布(現監督)以来で、43年ぶりに歴史を動かした。その岡田監督も「森下のホームランが大きかった。あれから(床田が)ほとんどカーブを投げられなくなったみたいでね」と評価。だが記録については「いやいや、まだ8本差あるでしょ」と勝ち気なジョークで笑わせた。指揮官は同年、18発で新人王も獲得した。今季の新人王は村上が最有力候補だが、後半打ちまくっている森下の大逆転も夢ではない。
佐藤輝と今季2度目のアベック弾も達成。先月28日の休日には「本塁打5本」の約束で、佐藤輝からプラダのバッグをプレゼントされた。だが先輩からは「10本打てなかったら返せ」とジョーク交じりの指令も受けた。それでも9月は6試合で4本目。量産態勢で約束を果たし「(堂々と)もらいます。はい!」とキッパリ。佐藤輝も「あげます」と笑顔で承認した。
守備でも2回に前方の打球をスライディングでつかむなど好守を連発。だが8回にはデビッドソンの右翼フェンス直撃打が、跳ね返って首付近に当たるアクシデントもあった。大事を取って交代したが、試合後には「お騒がせしました~」と元気な姿を見せた。岡田監督も「大丈夫やろ」と一安心だ。アレへのカウントダウンにドラ1の打棒は欠かせない。【波部俊之介】
▼ルーキー森下が初回に先制の10号。新人の2桁本塁打は昨季の野村勇(ソフトバンク)以来で、阪神では21年に24本の佐藤輝以来6人目。右打者では80年に18本の岡田以来43年ぶり。この年の岡田は5月1日巨人戦で新浦からプロ1号。7月8日ヤクルト戦で梶間から10号を放った。
▼初回の1発が決勝点となり、勝利打点付きのVアーチがこれで5本目。Vアーチを5本以上打った新人は10年長野(巨人)以来で、阪神では48年別当、69年田淵(9本)に次いで54年ぶり3人目。ちなみに、80年岡田、21年佐藤輝はともに4本だった。
○…大山悠輔が終盤に追加点で4番の存在感を見せつけた。2点リードの8回2死一塁、広島大道の136キロのカットボールをとらえ、三塁線を突破する適時二塁打。5試合ぶりのタイムリーに「2点よりも3点っていうのはあったので、そういう意味では、いい得点だと思います。(近本)光司が走ってくれた分もあると思います」と一塁から本塁へ激走した近本の好走塁をたたえた。



