#ありがとう熱男-。巨人松田宣浩内野手(40)が28日、現役引退を発表し都内で会見を行った。ソフトバンク時代を含め18年間に及ぶプロ野球選手生活にピリオドを打った。底抜けに明るいキャラクターでファンに愛され親しまれた熱き男は、ユニホームを脱ぐと同時に、次なる目標を「野球界の松岡修造」と宣言。後継者には浅野を指名した。残りのシーズンは29、30日のイースタン・リーグに出場予定。笑顔と涙に包まれながら、熱男らしく現役に別れを告げた。

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松田から熱い涙が込み上げた。会見後、花束を持った坂本が歩み寄ってきた。視界がぼやける。目頭を押さえ、顔を上げ、また目頭を押さえた。会見でも巨人に加入時、原監督からの「ムードメーカーではなく戦力として考えている」との言葉を回想し、声が詰まった。決断に至った経緯も説明。2日に今季2度目の2軍降格となった後、妻恵理さん(40)に「そろそろ引退の時期かな」と打ち明けた。原監督には26日に引退を報告した。

家ではもの静か。根っからの明るい性格とは違う。でも湿っぽさは柄じゃない。引退会見の朝も世話になった人、なじみの記者にも電話で感謝を伝え、明るく振る舞った。「今から朝、焼き肉行こうよ」とも冗談で和ませた。グラウンドに出る前は、左手首にテーピングを巻き、少しもの静かな松田宣浩は熱男に変わる。誰より声を張り、周囲を盛り上げる。それが役割であり、成長の挑戦だった。会見でも熱男魂を貫いた。次なるステージの目標は「野球界の松岡修造さんみたいな熱い人間」と笑い飛ばした。「やる気、気持ち1つで人間は変わっていく。そういうのが大事だし、そういう経験をした。どうせやるなら楽しく熱くチャレンジするのがいい。だから松岡修造、熱い人間になりたい」と続けた。

熱男の後継者にはルーキー浅野を選ぶ。「本当に元気で一生懸命に野球に取り組んでいます。必ず未来がある」。素質はもちろん、野球に取り組む姿勢にスター性を見込んだ。

40歳まで現役を続ける目標を成し遂げ、ユニホームを脱ぐ。ジャイアンツ球場ではジャージーでも構わず黒土に飛び込んだ。「100熱男。100点満点」。完全燃焼した。そして、また新しい道で熱く燃えたぎる。【上田悠太】

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