ロッテの下克上はならなかった。1勝3敗(オリックスのアドバンテージ含む)で迎えたパ・リーグCSファイナルステージ第4戦は、先発の種市篤暉投手(25)が3回2失点で降板する苦しい展開。打線は8回に藤原、9回にポランコが1発を放ち追い上げたが、あと一歩及ばず。

ベンチ入りした佐々木朗希投手(21)も登板機会はないまま、23年の戦いを終えた。

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来季続投のロッテ吉井監督が、CSファイナルステージの敗因を「先発が本当に足りなかった」と嘆いた。右肘炎症で離脱していた種市をぶっつけで先発させざるを得ず、3回2失点。「今日も(実質)ブルペンデーだったんですけれど、短期決戦でこういう戦いはきつい」。リーグ優勝決定時に続き、オリックスの歓喜を京セラドーム大阪で目の当たりにした。

14日のファーストステージ第1戦ソフトバンク戦に3回完全投球で体調不良から復帰した佐々木朗を、今ステージで使えなかったことも響いた。この日はベンチに入れたが、登板機会はなし。指揮官は「ポストシーズンの重みを感じてくれたらと。使う気はなかったです。この試合の雰囲気、ブルペンの雰囲気を味わってもらって。彼は先発しかしたことがなかったので、ブルペンではどういうことが起こっているのか見てもらいたくて入れました」。第5戦以降にもつれた場合の登板準備のために試合前にブルペン投球は命じたが、中5日で修羅場を投げ抜いた小島のような起用は出来なかった。

先発陣には「1年間、中6日でしっかり元気な姿でマウンドに立って、勝つ負けるは別の問題として、ゲームの半分は投げられるというのがローテーションピッチャーの最低限の仕事」と厳しく成長を求めた。一方、年間通じて決定力を欠いた打撃に関しては「野手のことは知らないことがたくさんあったので、もっと勉強していかないと」と自戒の念も口にし、来季の巻き返しを誓った。【鎌田直秀】

▽ロッテ種市(先発も初回に2ランを浴び3回2安打2失点)「先発の仕事を果たせなくて申し訳ない。ホームランの前のフォアボールが一番いらなかった」

▽ロッテ藤原(8回先頭でチーム初得点となるソロ)「大事な試合で出してもらったことは、(来季以降も)緊迫した試合でも思い切ったプレーが出来ると思う」

▽ロッテ・ポランコ(1点差に迫る9回先頭の本塁打に)「僕が出塁しないと何も始まらない。出塁することだけを考え良いコンタクト、甘い球を打ち返すイメージで結果的にホームランになりました」

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