プロ野球ドラフト会議が26日、東京都内で行われる。北海道の大学生では星槎道都大の最速153キロ左腕、滝田一希投手(4年=寿都)が指名を待つ。昨年5月に母美智子さん(享年52)が他界。家族や周囲に支えられながら悲しみを乗り越えて、プロ野球選手という夢をかなえるべく、運命の日を迎える。

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プロ入りを目指す滝田が運命の日を迎える。ドラフト会議を目前に、心境を口にした。「緊張しますね。寝られないですし、本当に不安です。当日どうなるかわからないけど、自分の目標は変わらない。指名していただけるならどこでも行きたい」と、12球団OKで指名を待ち望んでいる。

最速153キロの速球と、チェンジアップやスライダーなど、鋭い変化球が武器だ。今春のリーグ優勝に貢献し、6月の全日本大学野球選手権に出場。侍ジャパン大学日本代表選考合宿にも参加した。今秋は左臀部(でんぶ)の痛みで第1節は登板できなかったが、第2節9月20日の札幌大戦で先発し8回途中2失点。複数のNPBスカウトが見守る中で150キロを記録するなどアピールした。

黒松内町で生まれ育ち、小学3年時に野球を始めた。寿都高時代には連合チームで公式戦を戦ったこともある。高校時代の直球は130キロ台だったが、大学進学後、鍛錬を積み、成長した。150キロを超える速球を投じる左腕としてプロから注目を集めるようになった。「ここまで成長できるとは思わなかった。4年間野球をやってきてよかった」と振り返る。

家族への思いもある。昨年5月に母が心筋梗塞で他界。悲しい日々もあったが姉らに支えられ野球を続けてきた。「母にいい報告ができるかわからないけど、ここまで野球をやらせてくれたので、本当に感謝したい。生んでくれてありがとうと言えるような、いい報告ができれば」。11球団から調査書が届いた左腕が、吉報を待つ。【山崎純一】

 

◆滝田一希(たきた・かずき)2001年(平13)12月28日、黒松内町生まれ。黒松内小3年時に黒松内スターズで野球を始める。黒松内中では軟式でプレー。寿都高3年の夏は地区予選1回戦で敗退。50メートル走6秒1。遠投100メートル。趣味はテレビで野球観戦。好きな食べ物はオムライス。好きな女優は森七菜。家族は姉2人、兄2人、弟。血液型A。183センチ、77キロ。左投げ左打ち。