まるでベテラン左腕!? 西武羽田慎之介投手(19)が25日、埼玉・所沢の球団施設で契約更改交渉に臨み、現状維持の600万円でサインした。

八王子学園八王子から21年ドラフト4位で入団。191センチの長身から最速155キロをマークする大型左腕で、将来のエース候補と呼ばれている。天然系の性格も相まってファンからの人気も急上昇中だ。今季は左肩痛によってイースタン・リーグ後半戦は登板を控えていたが、10月のみやざきフェニックス・リーグで復帰。150キロ超えの直球でアピールし、松井監督も期待を寄せていた。

会見の場でも“羽田ワールド”全開だった。上下グレーのスーツで登場すると、目の前のテーブルに両手を置き、貫禄たっぷりの表情。来季の年俸を問われると「金額はどうしよう…えっと、じゃあ言わないってことで」と非公表を宣言したが、直後に「去年と比べて変わりないか」と問われ「そうですね、はい」と一瞬で現状維持を明かしてしまった。

今季は精神面での成長を実感した。「試合で投げるとか、技術面よりも精神的なことが成長したのかな。いろんな方のアドバイスや言動を自分なりに考えて、受け止めて成長した」と話した。印象に残ったこととして「友達から“おまえはこういうやつだよな~”とか、先輩とも話して“おまえは変わってるな~”とか、“おまえはこういう人間だ~”とか言われてという感じ」と独特なエピソードを語ると、会見場は爆笑の渦に包まれた。

目標は160キロ。「引退するまでに投げたいです」。いつごろまでに投げたいか聞かれると「来年投げたいです」と決意を改め、またしても笑いを誘った。1軍デビューに向け「そうですね~、知識ばかり増えていく感じなので、ちゃんと真意を持って、というところですかね」と話した。

同期入団の高卒投手には最速157キロ右腕の黒田と、フェニックスリーグで好投が続いた左腕の菅井ら将来を嘱望される投手がそろう。「来シーズンも野球をやれる限り、自分の全力を出し切って終わりたい」と風格漂う19歳が、堂々と1軍のマウンドを目指す。(金額は推定)【黒須亮】