オイシックスの最速155キロ右腕、山田拓朗投手(22=筑波大)が、アピールを続けている。1次キャンプ7日目の8日、3度目のブルペン入りで35球。昨年11月20日のトライアウトで合格を勝ち取った剛腕が、NPB挑戦に向け、闘志を燃やす。

   ◇   ◇   ◇

1球ごとにうなり声を上げ、力強い球を投げ込んだ。1次キャンプで3回目のブルペン入り。自慢のストレートを中心にフォーク、スライダーを織り交ぜて35球。1球1球、全力投球を心がける山田拓は「まだまだです」と言いながらも「持ち味の力強い真っすぐは投げられている。毎日収穫はある」と手応えを示した。

昨年、プロ志望届を提出したものの指名はなかった。一時は辞めることを選択したが「これでダメだったら辞めよう」と決心して、昨年11月20日に行われたトライアウトを受験。肌寒く、アウターが必須の気温だったが、大学時代から貫く「半袖スタイル」でマウンドに上がった。3打席勝負で2奪三振と結果を残した。後日、野間口貴彦投手コーチ(40)から合格の朗報が届いた。「道が切り開けた感じがした。だからこそ、チームの勝利に貢献したい」。

大学4年時に155キロをマークした剛腕の最終目標は「支配下でプロ」だ。プロ野球界でも150キロ超えは当たり前の時代で、山田拓の力強い真っすぐはこれ以上ない武器となる。「アベレージで155キロ近くは出せるように。数字的にも50試合に登板し、投げられることをアピールしたい」とNPB入りへのビジョンは明確。その上で「いつかは100マイル(160キロ)を出したいです」とさらなる大きな目標を掲げた。【大島享也】

◆山田拓朗(やまだ・たくろう)2001年(平13)7月24日生まれ、神奈川出身。川越東-筑波大を経て、オイシックスに入団。179センチ、90キロ。右投げ右打ち。背番号は29。

 

○…チーム捕手最年少の片野優羽捕手(19=市船橋-上武大中退)が橋上秀樹監督(58)のマンツーマン指導を受けた。ティー打撃で橋上監督が自らトスを上げ、密着指導した。「ティー打撃での意識の仕方とか、取り組み方を教えてもらった。初めてのことが多くて、毎日が刺激。楽しいです」と笑顔を見せた。プロ入りを目指し、オイシックスへの入団を決断した若武者は「今年のドラフトは目指している。2軍にも参加してスカウトの方に見ていただく機会も増えるし、どんどんアピールしたい」と意気込んだ。