29日の敵地オリックス戦の開幕投手が決まっている有原航平投手(31)が、大役に不安を残した。ホームで西武戦に先発したが、コルデロに逆転2ランを浴びるなど4回を3安打2失点。メドは90球だったが予定の約半分の50球で降板した。小久保裕紀監督(52)は「体が重そうやったんで」と大事を取った交代と説明。実戦は直近全3試合で複数失点と精彩を欠いており、昨季10勝の勝ち頭の1日も早い復調が待たれる。

  ◇  ◇  ◇

マウンド上の有原の表情は、最後までさえなかった。1点リードの4回2死二塁。バットの芯でとらえられた打球が右中間のホームランテラス席に飛び込むと首をかしげた。5番コルデロに逆転2ランを被弾。内角カットボールを運ばれた。4回を投げ3安打2失点。予定は90球がメドだったが、その想定を大きく下回る50球で降板した。

開幕投手に決定している右腕に、アクシデントか?と不穏な空気も流れた。倉野1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーターは「球場に来た時にちょっと体が重たいってところがあった。大事を取って、こっち(首脳陣)の判断で『やめておこう』と言いました」と説明。故障ではないことを強調した。小久保監督も「全然、大丈夫なんですけど、そんな別に無理する時じゃないんで」と補足した。

この日の右腕は、立ち上がりから変化球を中心に攻めた。全50球中、真っすぐは13球。1回1死一塁では、3番中村剛を真ん中低めのカットボールで注文通りに遊ゴロ併殺打に斬るなど、3回まで1安打とテンポ良く打たせて取った。だが4回に手痛い1発を浴び、これで4試合に登板した実戦は直近3試合はすべて複数失点と精彩を欠いている。倉野1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーターは「たぶん、責任感で投げてたと思うんで。疲れとかそういう感じだと思います」とおもんばかった。

次回は中6日でシーズン前最後の実戦登板となる、22日の広島戦(ペイペイドーム)に先発予定。倉野1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーターは「(球数)90球になるか。(開幕)1週間前になるので抑えるか。今後の状況を見ながら」と早期の復調を願った。

昨季はチーム唯一の2桁10勝をマーク。小久保監督は今年2月のキャンプで宮崎市内の宿舎自室に呼び、手紙も添えて開幕投手を伝えた。しっかりギアを上げ、1日も早く指揮官を安心させたい。【佐藤究】

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧>>