来日8年目のソフトバンクのリバン・モイネロ投手(28)が、初先発で8回3安打2失点と力投した。150キロの直球にカーブ、チェンジアップを織り交ぜるスタイルはセットアッパー時代から同じ。「全部の球種をしっかりトレーニングしてきた。負けにはなりましたけど、8回を投げられたので個人的にはすごくいい内容だったね」。テンポよく投げて4回まで完全投球。オープン戦で試した打たせる意識よりも追い込めば三振を狙う本来のスタイルで、わずか90球の省エネ投球につなげた。

5回にセデーニョに決勝2ランを浴び、チームは24年初黒星となった。その中で光を照らした左腕に対し、小久保監督は「今年初めての先発チャレンジ。最初の登板であんなピッチングをしてくれたらもう。来週以降も収穫ですね」と合格点を与えた。

柳田、山川、近藤ら打線は12球団トップクラスである一方で、課題は先発陣だった。昨季は12球団で唯一規定投球回に誰も到達しなかった。そんなチーム事情もあってモイネロは先発に転向。“新戦力”が今季初登板で十分すぎる役割を果たした。倉野1軍投手コーチも「本当に初先発とは思えない素晴らしい投球。期待以上。よくやってくれた」と深くうなずいた。

次戦は中6日で4月6日の敵地楽天戦。打線の援護なく21年からの開幕カード連勝は「10」でストップしたが、モイネロがV奪回のカギを握る先発陣に希望を与えた。【只松憲】

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