絶賛売り出し中の日本ハム田宮裕涼捕手(23)が「日本生命セ・パ交流戦」の広島戦で攻守に大活躍だ。打っては広島先発の床田寛樹投手(29)から4回に先制の適時打。守っては、強肩から「ゆあビーム」を繰り出し二盗を阻止するなど、今季10度目のシャットアウトゲームに貢献した。2試合連続、今季6度目の3安打猛打賞で、打率は3割5分とパ・リーグ首位をキープ。得点圏打率、盗塁阻止率でもリーグトップの“3冠”に君臨する。
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かわいい顔を引き締めて、一番遠いボールにバットを出した。両チーム無得点の4回2死二、三塁。フルカウントから床田が決めにいった外角低め、141キロ直球を華麗に左前に流し打った。これが決勝点となり、チームの貯金は今季最多タイの9に戻った。昨季11勝を挙げた好左腕からの貴重な一打に「本当に良いピッチャーなんで。なんとか打とうと思って」と、声を弾ませた。
続く6回はあっさり中前打。9回2死、右腕河野との対戦では渋いアプローチを見せた。フルカウントから広島バッテリーが3球連続で選択した内角直球を、全て三塁側へカットした。10球目の内角フォークを、腰を引きながら打ち返し、俊足を生かして内野安打とした。2試合連続、今季6度目の3安打猛打賞に「ずっと同じ動き、同じスイングがしっかりできているからだと思います」。絶好調の要因はシンプルだ。
昨季まで、高卒4年目の22年に記録した14試合出場が最多だった。今季は既に43試合に出場。必然的に直面する疲労には“秘技”で対応している。「もう疲れてるかどうかもわからない状況なんで、『疲れてるかわからない作戦』で頑張ってます」。チームのアイドル的存在には、疲れなど「わからない」のだ。
新庄監督は「俺、捕手はあんまり褒めたくないんすよ。『てんぐ』になられたら怖いんで。もう、今のままずっと、打つ前にリードをしっかりしてもらわないと」。あくまでも、守り勝つ野球。捕手の起用は打力のみで判断していない。
4回には盗塁阻止率リーグトップの「ゆあビーム」で二盗を阻止した。首位打者争いも、得点圏打率もリーグ1位を維持。オールスターゲームファン投票では、捕手部門1位を独走し続ける。球宴への思いを問われると表情が緩んだが、2秒我慢し「出られるように頑張ります」。田宮は「てんぐ」にならない。【黒須亮】



