6連覇を目指す大商大に、新星が現れた。

「5番右翼」で先発の春山陽登(あきと)外野手(2年=敦賀気比)が、関西6大学野球の連盟記録を塗り替える1試合3本塁打を放ち、最多12塁打も記録した。

衝撃の3発だった。5月20日大経大戦以来の先発。試合前は、長渕剛の「しゃぼん玉」を聴いて心を整え、試合に臨んだ。すると第1打席からいきなりはじけた。1回1死一、二塁で4球目をとらえ、大学公式戦初本塁打となる右越えの3ラン。これで乗った。2回2死二、三塁では左中間へ2打席連続の3ラン。3打席目の4回2死一、二塁では四球を選び、第4打席の7回は先頭打者で左中間に3本目となるソロ本塁打。場内をざわつかせた。

春山は「2本目のホームランが一番よかった。角度もタイミングもよかったです」と振り返った。すべて2ストライクで追い込まれた後の4球目を仕留めた。

覚醒のきっかけは指揮官からの金言だった。前日、富山陽一監督(59)から「スタンスを広くしろ」と助言を受けた。練習中に即実践し、右打者の春山は2足分左足を広げると、直後の練習ですぐに柵越えを放った。「(スタンスが狭いと)間がなく、つまってしまう。一番力の入るところに足をおいて、タイミングをとった」。この練習を見て、富山監督は先発起用を決めたという。春山も「目線のブレが違いました。教えていただいたことをやっただけなので、監督さんがすごいと思いました」と感謝した。

4打数3安打3本塁打7打点。1試合3発は連盟史上初。12塁打は2012年(平24)春に古本武尊(龍谷大)が大経大1回戦で記録した11塁打を更新した。春山は「チームの勝利のために打席に入った結果が今回の記録、更新につながったと思います」と喜んだ。

富山監督は「元々そういう力はある、当たれば渡部(聖弥、同大学のプロ注目の右打者)よりも、ひょっとしたらね」と明かす。

「長打力が自分の魅力だと思ってるので、このまま継続していければ」と春山は力を込めた。1982年(昭57)の新リーグ発足後初の6季連続優勝へ、新星スラッガーが起爆剤になる。【中島麗】

◆春山陽登(はるやま・あきと)2004年(平16)12月10日生まれ、奈良県大和高田市出身。高田小1年時に高田イーグルスで野球を始め、小学6年時に、阪神タイガースジュニアに選出され、八木裕氏や中谷仁氏(現智弁和歌山監督)の指導を受けた。高田中では五條シニアに所属。主将を務めた敦賀気比(福井)は2年秋からベンチ入りし、3年時に甲子園春夏連続出場。大商大では、外野手として1年春からベンチ入り。177センチ、88キロ。右投げ右打ち。好きな芸能人は歌手・長渕剛。大の虎党で、憧れのプロ野球選手は、大山悠輔(阪神)。趣味は、筋トレと焼き肉を食べること(タン塩とタレ味のハラミ中心)。兄、姉、弟をもつ4人兄弟の次男。