セ・リーグを2年ぶりに制覇した阪神の優勝記念パレードが22日、大阪市のメインストリート「御堂筋」で開催された。午前11時ごろに北浜3の交差点をスタートし、心斎橋の新橋北交差点までの1・7キロをゆっくり南下。沿道に詰めかけた約20万人のファンの声援に手を振って応えた。藤川球児監督(45)は「大きなエネルギーの充電になった」と感謝。2リーグ分立後、球団初となる連覇への1歩を踏み出した。
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パレード出発前のセレモニーで藤川監督が早々と来季のセ・リーグ連覇を宣言した。
「来年(球団創設)91年目! 連覇を必ず成し遂げます。ぜひ、応援よろしくお願いします」
土曜日のビジネス街。沿道を埋め尽くす大観衆の期待を裏切らない言葉を残して、バスは出発。オフィスビルの窓からタオルやプラカードが掲げられた。指揮官だけでなく、選手の名前も叫ばれる。紙吹雪や紙テープではない、声のシャワーを浴びながら、北浜3交差点から心斎橋までの約1・7キロは歓喜と感謝に包まれた。
「パワーを皆さんに吸い取られるのかなと思ったんですけど、逆にパワー充電になりました。ほんとに選手たちの表情もすごく明るいですし、このために頑張るんだったと今、思い出しました」
チームにとって、優勝パレードは23年以来2年ぶりだが、藤川監督にとっては05年の現役時代以来20年ぶり。「05年の時に、当時思いました。来年もおそらくこの景色が見られるだろうと。思っていたところ(23年のリーグ優勝まで)18年間かかっております」と笑わせた。
143試合中、85個の白星を積み上げた。就任1年目で2位DeNAにも13ゲーム差をつけ、ぶっちぎりで史上最速リーグ優勝を引き寄せた。「シーズン中、本当にグラウンドに集中してて、何のために頑張ってるのかって考える時もあった。やっぱり今日のためでしたね。頑張ってよかったです」。待ち望んだ光景に疲労も吹き飛んだ。
約1時間のパレードを指揮官はかみしめた。来季は2リーグ分立後初の連覇に挑む。「そう(連覇と)言いながら(周囲からは)来年負けるんだろって。いつも負けてきてますから。2倍になるようなパワーにして、はね返したいと思いますね。楽しみです」。南北一直線の御堂筋。偉業へ飛び立つための滑走路になった。【伊東大介】
<阪神過去のパレードアラカルト>
◆62年10月5日 初のセ優勝を飾ったナインは、秋晴れの甲子園を出発。尼崎市役所前では、MVPのご当地選手村山実投手に大歓声が起きた。阪神国道を通り、神戸市へ。兵庫県庁で阪本勝知事から藤本定義監督に花束が贈られ、その後甲子園へと帰還。
◆03年11月3日 星野仙一監督のもと、18年ぶりのリーグ優勝。大雨の中、パレードは大阪と神戸で開催。大阪市役所前を出発し、ゴール地点の新橋交差点付近へ進み、約40万人が傘も差さずに祝福した。また神戸・三宮でも25万人を動員。合わせて65万人が集まった。
◆05年11月6日 岡田彰布監督を筆頭に雨の中、大阪・御堂筋でパレード。03年と同じ御堂筋のコースに、約18万人が詰めかけた。ナインをひと目見ようと約1000人の徹夜組も。休日出勤のサラリーマンはネクタイ姿のまま、ビルの窓から万歳して祝った。
◆23年11月23日 岡田彰布監督が復帰1年目で18年ぶりリーグ制覇、38年ぶりの日本一を達成し、パを制したオリックスと史上初となるセ・パ球団による同日パレード。大阪市の御堂筋と兵庫・神戸市の三宮の2カ所で、午前と午後で会場を入れ替え実施。沿道の観衆は大阪で55万人、神戸で45万人と100万人を動員した。
○…オープニングセレモニーには主催者の大阪府・吉村洋文知事(50)、大阪市・横山英幸市長(44)も参加した。大の阪神ファンとして知られる高市早苗総理(64)は南アフリカで20カ国・地域首脳会議(G20サミット)もあって来場せず。吉村知事は「優勝パレードやりましたって高市総理に報告しときます。(阪神が)日本一になったら来てくださいって言っときます」と話した。20万人のファンが駆けつけたが、安全配慮がなされ、大きなトラブルは見られなかった。



