プロ野球巨人の原辰徳監督の父で、高校野球の監督として2度の全国制覇を達成した原貢(はら・みつぐ)氏が5月29日午後10時40分、心不全のため神奈川県内の病院で死去した。79歳。佐賀県出身。葬儀・告別式は近親者のみで行い、7月14日に東京都内のホテルでお別れの会を開く予定。巨人の今季の開幕投手を務めた菅野智之投手は孫。

 佐賀・鳥栖工高から立命館大に進み、中退後は社会人野球の東洋高圧大牟田でプレーした。1965年に福岡・三池工高の監督として、夏の全国高校選手権大会で初出場優勝し、不況で沈んでいた炭鉱の町に明るい話題をもたらした。

 66年からは神奈川・東海大相模高で監督を務め、70年夏の選手権で全国優勝。辰徳氏が入学して2年生だった75年は、春の選抜大会で準優勝した。77年に辰徳氏の東海大進学とともに同大監督に就任するなど、その後も「親子鷹(たか)」として話題を集めた。

 東海大で一度は監督を退いたが再び指揮を執って96年に退任し、その後は野球部の顧問などを務めていた。ことし5月4日に、心筋梗塞で入院した。