これが精鋭100%のメンバーだ-。来年3月の第2回ワールド・ベースボールクラシック(WBC)で世界一連覇を狙う日本代表第1次候補選手が15日、原辰徳監督(50)の口から発表された。当初45人の予定から10人ほど絞った34人の発表。原監督は「先発投手を1試合で2人つぎ込む」とVプランの一端を明かした。日本人メジャーリーガーは7人、パ・リーグMVPの楽天岩隈久志投手(27)やセ・リーグ首位打者の内川聖一外野手(26)らが入った。中日のみ1人の選出者もなかった。サムライ・ジャパンは2月15日から第1次合宿に入る。

 席上で、軽くせき払いをすると、気持ちを落ち着けるようにして原監督がリストを手にした。読み上げたメンバーは34人。ロースターとして認められている45人から11人も絞った形となった。「コンディションというものを考慮すれば100%のメンバー。ヤンキースの松井秀喜君とは何度も話をしました。しかし、コンディションに不安を残している。今日(松井の名を)発表できなかったのは私のみならず、みんなががっかりしているが、このメンバーには納得している」と、松井秀のことを残念に思いつつも、現時点では最高の構成にできたことに胸を張った。

 サムライ・ジャパンとして一致団結できる選手を選び、早くから団結心を生めるように、この時点での34人の発表となった。「経験があるないは抜きにして(第2次合宿直前の)2月22日に最強の28人に絞り込む。いいコンディションで(2月)15日に入ってもらいたい。100%でとは思っていない。7割か8割で余裕を持って入ってきてほしい」と、選手たちへ宿題を出した。

 前日、松坂から電話があった。これまでは敵として羨望(せんぼう)のまなざしで見ることはあっても、同じユニホームに袖を通すのは初めて。話をしたこともなかったが、最初の会話で気持ちが通じ合った。「代表で、投手陣の中心として戦ってくれ。大きな戦いの中で、世界に挑もう」とゲキを飛ばすと「私も全力で戦います」と誓ってくれた。先発の軸の1人として、戦ってもらうつもりでいる。

 本番には投手陣は13人で臨む予定だ。球数制限のある試合の戦い方についても、想定して選手を選考した。「先発投手を1試合で2人使いたい。ランナーがいたりしたらリリーバーを挟む。クローザーもつくりたい」と、シミュレーションはできている。戦い方のビジョンをつくっていく一方、最終メンバーについて原監督は会見の中で「白紙の状態から」「真っ白な頭で」と繰り返した。固定観念を抜きにして、サムライ集団をつくり上げる。【竹内智信】