猛練習でV奪取!

 広島東出輝裕内野手(28)が沖縄合同自主トレ最終日の30日、沖縄市野球場で約400スイングの打ち込みを敢行した。マスコットバットを用いて力強い打球を連発した。14日に、ナインで最も早く沖縄入りし、練習を重ねてきた。「いつも通りです」と話すように、順調にトレーニングを継続している。2月1日にキャンプインを控えるが、早くも全開モードだ。

 まるでキャンプのような光景だった。沖縄市野球場の昼下がり。強い日差しを一身に受けながら、東出が打撃ケージへの出入りを繰り返した。重いマスコットバットを振り込み、終わってみれば2時間が経過…。この日は合計で約400スイングに達する猛練習をこなし、体を動かし続けた。

 東出

 いつも通りです。やりたいことはいろいろやれたかな。まだ1カ月ありますから。ここから長いから。まだこれからですよ。

 準備は万端だ。14日には早くも沖縄に入っていた。ナインの誰よりも早く南国で始動し、猛練習をこなす環境を整えていた。2月1日から始まる沖縄春季キャンプは12日まで。まさに約1カ月の長期滞在で、1年間戦う体作りに専念する。

 「練習の鬼」と化した。この日は通常のフリー打撃を終えたあとに2時間の特打を実施。ともに振り込んだ小窪も「東出さんの練習量はスゴイです。しかも、力を抜かない。僕も必死になります。ああいう方が残るんですよね」と証言する。27日には延々とロングティー打撃を行った。全身を使わないと、遠くまで飛ばせない…。東出は「(体を)大きく大きく使ってね。普段使わない筋肉を使いますから」と説明していた。

 長い時間、休みなくバットを振り続けるのは理由がある。沖縄に入ってから、東出は小窪に「バッティングは、体幹で打て」とアドバイスをおくった。小窪も「この時期は体重もあるから、手先だけでも打てる。疲れてくるとそれでは打てないんです」と振り返る。疲れてからが本当の練習になる。体の軸をしっかり使って振るためにも、あえてハードワークを課すのだ。

 昨季は自己最高の打率3割1分をマークした。オフにはFA宣言せずに広島残留を表明。名実ともに「チームの顔」として、09年のスタートを切る。キャンプ2日前の猛練習に、決意の強さが表れていた。【酒井俊作】

 [2009年1月31日11時52分

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