<ヤクルト2-8阪神>◇29日◇神宮

 阪神が誇る鉄腕AFリレーが、この日も勝利を守った。セットアッパー・スコット・アッチソン投手(33)、クローザー藤川球児投手(28)がこの日もそろって登板。お互いが走者を背負った場面で登場し、2人ともイニングをまたいでの登板は今季初だったが、さすがは百戦錬磨コンビ。いずれも完全リリーフをみせ、AFリレーを完成させた試合はこれで20連勝となった。

 まずはアッチソンが、ヤクルトに傾きかけた試合の流れを止めた。4点リードの6回。先発久保が2死から満塁のピンチを背負い、急きょ登板。1発が怖い代打デントナを3球三振に仕留め、ピンチを脱した。「アウトにすることだけを考えた」。本来の登板予定だった7回も2三振を奪った助っ人右腕は、しっかり自身の仕事をまっとうした。

 相棒の仕事っぷりに、藤川も全力で応えた。8回。3番手筒井が2死一、二塁のピンチを背負うと、ベンチは迷わず藤川へスイッチ。今季初となる5点リードでの登板に、神宮の虎党も大声援で守護神を送り出した。迎えた川本をわずか1球で遊ゴロと貫禄(かんろく)を示すと、9回もきっちり3人で料理。絶対に落とせない試合で、完勝の2文字を相手に突きつけた。

 藤川は「今日は僕は何もしてませんよ。僕らより、先発の方がプレッシャーがかかっていると思う。僕らは先発が投げてきたものを壊さないようにサポートするだけ」と思いやった。真弓監督は「本当はイニングをまたぎたくなかったけど、早めに手を打った方が流れがくる」と執念の采配を振り返っていた。

 [2009年9月30日11時4分

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