虎のジョー誕生へ-、闘将が決める!

 阪神は27日に前マリナーズ城島健司捕手(33)と2度目の交渉を行うことを発表した。ソフトバンクとの争奪戦で、切り札的存在と言える星野仙一SD(62)の出席が濃厚となった。情熱的なメッセージが期待され、一気に阪神入団へと決着をつける構えだ。

 城島獲得へ、阪神がダメ押しの一手を繰り出す。交渉術に長けた星野SDの「出馬」を検討していたが、27日の第2回交渉で出席することが濃厚となった。沼沢球団本部長が「行くと言っていた」とプランを明かした。熱いメッセージを直接本人に伝えてもらい、タテジマへと気持ちを固めてもらうのが狙いだ。

 阪神はマリナーズの退団と同時に、他球団に先駆けて、獲得の意思があることを表明した。4年総額20億円(推定)という球団史上最高額や背番号「2」などの条件を提示。真弓監督も福岡市内に駆けつけて、電撃会談で熱意をアピールしてきた。

 しかし古巣のソフトバンクも黙ってはいなかった。師匠の王会長が城島と約3時間も会食し、復帰を求めた。優位に進めてきた流れが変わりかねない状況。そこで球団は切り札の投入を決断した。交渉に出席する南球団社長は「これから考える」と星野SDの同席に関して明言は避けたが、「直接会えば、変わってくるでしょう」と期待も隠さなかった。

 ソフトバンク側の動向が不透明な情勢ではあるが、阪神側は今回が最後の交渉という決意でいる。「ある程度の方向性を見いだしたい。手応えは感じている。(いい返事を)という風に持って行きたい」と南球団社長は話した。条件面の上積みは現時点で考えていない。「我々の方からは熱意を伝えるだけ。すべて話しているし、繰り返しになると思う」。前回交渉と同様に、とにかく熱意をもって口説きまくる考えだ。

 捕手で主軸を打てる城島はチーム再建にとって、これ以上ない存在だ。同じ九州出身の真弓監督は「何とかこっちに来て(阪神の)優勝に力を貸してくれ」と熱い言葉を投げかけた。次は星野SDの出番だ。闘将の気迫がFA交渉で金本や片岡獲得の決め手のなった。ダメ押しの口説き文句に期待は大きい。争奪戦に終止符を打って「虎のジョー」誕生を一気に決める。

 [2009年10月27日10時49分

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