ハローでつかみはOK!

 阪神に新加入した城島健司捕手(33)が1月31日、沖縄入りしてチームに初合流した。チーム宿舎での全体ミーティングでは真弓監督ら首脳陣と選手の前で紹介されて「ハロー」と第一声。アメリカンジョークで新しいチームメートたちを大いに沸かせた。コーチ陣には4日までのキャンプ第1クールはブルペン通いを宣言。日本人初のメジャーリーグ捕手が1日、タテジマで始動する。

 第一声は、まさかのイングリッシュだった。チーム宿舎で行われた全体ミーティング。城島は、前から3列目の右端に座った。隣は席をひとつ空けて、昨春のWBC日本代表で一緒だった藤川が座っていた。ミーティングでは新助っ人のマートン、フォッサム、メッセンジャーの3人が紹介されて英語であいさつした。4番目が城島の番だった。

 城島

 ハロー。

 5年ぶりの日本球界復帰で、新しく飛び込んだ阪神。チームメートと初顔合わせの席だ。真弓監督、南社長、選手らがズラリと並ぶ緊張の場面。そこで飛び出したのが、3人の外国人に続く英語。ジョーのアメリカンジョークに、会場は大いに盛り上がったという。

 「球界の正月」と言われる2・1を前にした直前合流。ミーティングではコーチ陣とキャンプ中の調整法を話し合って「ずっとブルペンに入りたい。第1クールは足腰を重点的に鍛えたい」と自分の希望を伝えた。吉田バッテリーコーチは「(ブルペンで)自分がとりたい(投手)のをとればいいんじゃないかな」と、自己流調整を容認した。

 城島は、投手との信頼関係を重視している。ポリシーとして「投手がマウンドで孤独にならないように、バッテリーで1人の打者に向かっていく」と口にしている。すでにキャンプ初日からのブルペン捕球を宣言しており、第1クールの4日間は、投手を理解すること、そして自分を理解してもらうことに重点を置く構え。全体ミーティング終了後に選手間で行われた約30分の話し合いにも参加した。

 今オフ補強の目玉の合流に、球団側も厳戒態勢を敷いた。那覇空港では球団広報が「空港内の混乱を避けるため」と空港出口に車を準備した。到着ゲートから車に乗り込むまでわずか30秒。08年2月に高知・安芸キャンプに途中合流した金本以来の異例のシフトを引いた。城島はファンら約100人の前を引き締まった表情で歩いた。男性ファンに「阪神でも頑張れ!」と言われて、うなずいた。

 キャンプ前夜に「ハロー」で仲間たちの心をつかんで、いよいよ自身の持ち場で動き始める。首脳陣には自分のコンディションについて「普通にやれる状態でいます」と伝えている。真弓監督が「優勝争いができる戦力になる」と位置づけた虎のジョーが、ついに始動する。

 [2010年2月1日11時57分

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