<日本ハム7-2楽天>◇27日◇名護

 日本ハム中田翔内野手(20)が、オープン戦初戦から打撃で猛アピールした。27日、沖縄・名護での楽天戦に7番DHで出場し、3打数3安打1四球と全打席で出塁。2ストライクから変化球をファウルで粘っての左越え二塁打など内容も濃く、「自信になりました」と笑顔を見せた。3年目で初の開幕1軍へ、好スタートを見せた。

 1カ月間汗を流した名護市営球場の「H」ランプを3度点灯させた中田は、晴れやかな表情で、同地を離れるバスへと乗り込んだ。「ボールがよく見えていました。自信になります。これからも頑張ろうという気持ちになりますね」。レギュラー取りへ向けた大事なオープン戦を、まずは幸先よくスタートした。

 代名詞のような特大弾はなかったが、中身はぎっしりと詰まっていた。2回2死の第1打席は、初対戦となる岩隈との勝負。「絶対打てないと思う」。試合前は弱気に話していたが、内角の変化球に対応し、三塁線をしぶとく破った。投手が川岸に代わった6回無死一塁の第3打席も、カウント2-2から変化球を2球粘り、最後は125キロスライダーを左翼フェンスまではじき返した。8回の三塁への内野安打と合わせ、泥くさい猛打賞。梨田監督も「(試合前の)フリー打撃から今日はいいように思った。粘れているというかね」とたたえた。

 居残り特打や特守でレベルを上げた春季キャンプの集大成でもあり、「1軍切符」をつかむための大事なオープン戦初戦。前夜は体を休めるために早めにベッドに入ったが、朝方に震度4の地震で起こされた。「びっくりした。怖かった。とっさに、なぜかベランダに出ました」。恐怖で跳び起き、玄関ではなく逃げ場のないベランダに向かってしまうほど動揺したが、その数時間後にはしっかりと「自信」をつかんでいた。

 28日はヤクルト戦(浦添)、さらに札幌へ戻って連戦が続く。「今日は結果が出てよかった」。南の島で培った自信と経験を胸に、日々アピールを続けていくしか、生き残る道はない。【本間翼】

 [2010年2月28日11時21分

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