<横浜5-0広島>◇9日◇横浜

 ああ、痛恨のミスでガタガタガタッ…。広島が守備の連係ミスで敗れ去った。1回裏2死一、二塁。先発ジオがスレッジを打ち取り、飛球が中堅上空を舞った。「ピンチ脱出だ!」。広島ファンの誰もが胸をなで下ろした瞬間、悪夢が待っていた。遊撃手の梵が打球を深追いしたが、最後は中堅天谷に捕球を任せた。あわてた天谷はポロリ…。攻守交代できるはずが2点を失う二塁打になり、結果的に決勝点になった。

 高内野守備走塁コーチも渋い表情で「天谷が梵の動きで任せてしまった。梵もあそこまで行ったらね…。風の確認ができていない。大ミスよ。お互いのミス」と振り返る。横浜スタジアムは上空で風が舞う特徴があり、梵が判断した当初の目測よりも打球は中堅方向に流れ、ミスが生じた。

 記録上は失策こそつかなかったが、お見合いした梵が「僕のミス。捕っていればチェンジの場面です」と言えば、天谷も「あれで試合が決まった。ジオに申し訳ない」と猛省した。気落ちしたジオはさらにカスティーヨに中前適時打を浴び、初回に3失点。今季初登板の横浜三浦を楽にしてしまい、広島打線も沈黙した。

 開幕直後の7連敗から脱しても、チームは浮上のキッカケをつかめない。この日は散発4安打で横浜投手陣に完封負け。勝っていれば最下位を脱出できたが、かなわなかった。野村監督も「(闘志が伝わらないと聞かれて)そう見られても仕方ない。もっとアグレッシブに行ってほしい」と嘆いた。自滅し、気合は空回りする。広島に明るい光が見えない。【酒井俊作】

 [2010年4月10日12時22分

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