<楽天3-5西武>◇22日◇Kスタ宮城

 西武のクリーンアップが全5得点をたたきだし、楽天田中を攻略した。故障離脱した中村に代わる新4番ディー・ブラウン外野手(32)が、4試合目で初打点をマーク。1回の先制打、3回の適時打は、いずれも追い込まれながら、田中の決め球フォークを中前にはじき返した。「4番でみんな騒ぐけど、アメリカで打順は関係ない。ナカムラが帰ってきたらまた元に戻るだけだよ」と好投手攻略に胸を張った。

 意地があった。3連勝した前節ソフトバンク戦で、チーム19得点のうち、クリーンアップは合計4安打1打点と精彩を欠いた。3番中島が2安打1打点、5番GG佐藤が犠飛と適時打で2打点と奮起し、渡辺監督は「この前は“脇”がよくて、今日はマー君から“真ん中”がしっかり仕事をしてくれた」と納得の表情だった。

 指揮官の満足度をさらに高めたのが、今季初先発の「2番黒瀬」だ。1回に犠打を決めて先制点をアシストすると、2安打2得点に「緊張したけど、1発でバントを決められて楽になりました」。右ひざ手術で約11カ月ぶりの復帰戦。2軍から昇格した際にソフトモヒカンの髪形で度肝を抜いたが、精神的にもひと回り成長して帰ってきた。

 渡辺監督は「1番栗山はすんなり決まって、2番は大島と迷ったけど、黒瀬は2軍で見ていた時もいい仕事をしていた」と適材適所の起用に選手がこたえた。今季5度目の4連勝で貯金も最多17。手負いの獅子だが、主役と脇役がかみ合い、一丸ムードは日に日に高まっている。【柴田猛夫】

 [2010年6月23日8時48分

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